“恋色一直線!! 第一話”

……むに~……はぅ……。

くぉ~ら~!鈴音!!いい加減に起きなさい!!

はきゅん!?

ふふ~ん、やっとお目覚めの様ね。

う~、ひどいよぉ彩夏。もっと優しくしてよぉ……。

あ、アンタねぇ……。

とにかく起きなさい!アンタほっとくと一日中眠り続けるでしょ!?こうでもしないと起きないんだから感謝しなさい!!

ひっど~い!一日じゃなくてせめて半日だよ彩夏!!

はいはい、私が悪かったわよ。 いいから早く準備しなさい、また遅刻するわよ?

嘘!?もうそんな時間!?

あはは!嘘に決まってるでしょ!! おっかし~い!簡単に引っかかってやんの!!

うにゃあああああぁぁ!!彩夏の意地悪~!!

ほら、目が覚めたでしょ? 早くシャワー浴びて準備しなさい。

これは許されん行為だー!謝罪と賠償を要求するー!!

はにゃん!!

喧しいわ!!そんな事言ってる暇があったらさっさと準備する!!

くすん……は~い……。

(全くもう……本当に世話が焼ける『妹』なんだから……)

ってちょっと待ちなさい!

ギクッ!!

鈴音ちゃん?その下着、もしかして私のじゃないかしら?

……えー?そうだっけー?あははははは!!

鈴音えええええぇぇぇ!!! アンタって子はぁ!!

うあ~ん!彩夏のせいで遅刻だよぉ~!!

アンタが余計な事するからでしょうが!!そんな事言ってる暇があったら足を動かしなさい!!

これが全速力だよ~!!

……っ!! 鈴音!!危ない!!

うにゃん!?

うわわっ!?

鈴音!?大丈夫!?ケガは無い!?

うー……うん……大丈夫。

ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?

(わ!!か、カッコいい……)

これ、使ってください。 立てますか?

ふぇ!?あ、だ、大丈夫です!! 自分で立てます!!

申し訳ないのですが……急ぐので!!

あ!……行っちゃった……。

……ふ~ん、中々やるじゃない。 倒れた拍子に汚れた箇所を拭く為のハンカチを渡すなんてね。

(はぁ……あの人……カッコよかったなぁ……かなりいい感じかも……)

ちょっと鈴音?何顔真っ赤にして突っ立ってるのよ。

ふぇ!?そそそそれはその!

……アンタ、まさかさっきの男に惚れたわね?

っ!彩夏ってエスパーなの!?

んな訳あるかい!! というか抜け駆けは無しよ!アンタと私で彼氏居ない暦……

わああああぁぁ!!それは言っちゃ駄目えええええぇぇぇ!!

というかさっきの男は誰なの? このままだと鈴音、見ず知らずの男に一目惚れした事になるわよ? しかもまた会えるか分からないし。

ええっ!?

……嫌だぁ……そんなの……。

泣いたってしょうがないでしょうが!!とにかく学校へ急ぐわよ!! 走れるでしょ!?

……会いたい……もう一度会いたいよぉ……。

きゃん!!

正気に戻りなさい!! 早く行くわよ!!

くすん……。

はぁ……はぁ……何とか間に合ったわね……。

もう……今日は走れないよぉ……。

ようご両人!!今日もまた遅刻ギリギリだったな!!

その声は……坂城(さかき)? 今アンタを相手する気分じゃないのよ……頼むからどっか行って……。

何だぁ?猪突猛進の凶暴ガールはこの程度で弱音を吐くのか?

だぁれが凶暴ガールよ!! この脳内スッカラカンボーイ!!

ひでぇ!!そこまで言うか!?

フン!アンタにお似合いよ!!

(……あの人からのハンカチ……どうしよう……会って返さないといけないし……)

(はうぅ……ちゃんと話せなかったし……もう一度……会いたいよぉ……)

(……鈴音、アンタの考えてる事は分かる。だけど現実はそう甘くないのよ……)

きりーつ、礼!着席!!

えー皆さんおはようございます。 知ってる人は知ってると思うが……今日から新しいクラスメイトが増えます。

(えっ!?)

(は、初耳よ!!)

……よし、じゃあキミ、入ってきて。

(…………)

(っ!!!)

(う、嘘!?アイツは……今朝の!!)

キャー!カッコいいー!!

久々の大当たりじゃない!? 坂城とは大違いよ!!

やかましいわ!! つーか何で俺が出て来るんだよ!!

……奴は、敵だな。

ああ……そうだな。

(こ、この男子は……馬鹿だわ)

辻井蒼司(つじい そうし)です、よろしくお願いします。

(間違いない!!朝のあの人だ!!)

(本当に……本当にまた……会えたなんて……うぅ……)

あー静かに。じゃあ辻井君の席だが……おっと、篠崎の隣と坂城の隣が空いているな。

(っ!私の隣に……)

せんせー!篠崎さんの隣がいいと思いまーす!

(っ!彩夏!?)

(これで貸し一つよ、鈴音。後でパフェでも奢ってもらうからね!)

(……ありがとう)

そうか、まあ隣の席は可愛い女の子の方がいいか。よし、辻井君の席はあの女の子の隣だ。

は、はぁ……そうです……か?

……早く!こっちに来てよ!!

き、君は……今朝の!?

なっ!?し、篠崎さんを知っているだと!?

馬鹿な!?我が情報網には引っ掛かってなかったぞ!?

早く早くぅ!!

こら鈴音!みっともないからはしゃがないの!!

なによー!子ども扱いしないでよ彩夏!!

子供じゃないのアンタは!

子供じゃないもん!!

どこがよ!?

……あ、あのー、隣座って良いかな?

あ……。

う、うん!座って座って!!

うん、よろしくね。

……また、会えたね。

いや……朝は本当に……。

ストーップ!!あれぐらいで怒る私じゃ無いよ!!

(アンタ思い切り泣いてたじゃない……別の意味でだけど)

えへへ……。

初めては不運な事故から、だけど神の悪戯か同じクラスになれた私達。 私の恋はここから始まる……。

~to be continued~

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Posted at 2012/12/06 02:03 Viewed 7 times

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鈴音と彩夏は同じ家に住んでいる姉妹同然な仲良し二人組。目覚めが悪い鈴音を無理矢理起こし学校へと走るがとある男子にぶつかってしまう。「恋色一直線!!」

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