俺は、紗貴、お前の方が好きだよ
・・・本当、に？
あぁ
理由、聞いてもいい？
理由か。さぁな。感覚的なものだから、言葉にするのは難しいかな
ふーん。はぐらかすつもり？
ちげーよ。何かこう、お前の方が信頼できるっていうか、よく理解してくれるっていうか
ふふっ、まぁいいよ。ありがとう
上手く言えなくてごめん
ううん、もう十分だよ
そういや、さっきは何であんなに焦ってたんだ？
ふ、ふぇっ!?い、いや、あ、焦ってなんか、ないけど？
めっちゃ動揺してんじゃん。まぁ、言いたくないならいいけど
別にやましいことは何もないよ？
だからいいって。わかったから。そういう年頃なんだろ？
ち、違うよ///！そんなことしてない！
はいはい、わかったわかった
もぅ・・・///
(ばか。い、言えるわけないじゃん。兄貴が彼氏だったらって妄想してたなんて///)
・・・・・
え？明後日会えないかって？たぶん大丈夫だと思うけど。帰ってから予定確認してみるよ
『はい///！無理にってわけではないので・・・』
あぁ。そっちこそ、無理はすんなよ？
『大丈夫です』
じゃあまた
茉莉奈ちゃん、朝から電話してくるなんてな。どうしたんだろう・・・？
・・・・・
愛祐美、おはよう
あ、おはよう。大翔君
今日も教室に来る？
いや、今日はまた、屋上に来てくれない？
(ちょっと、皆には内緒の話がしたいから)
(わかった。じゃあ、見つからないよう、慎重に行くよ)
(うん、お願いね)
・・・・・
何とか撒いたか。それにしても、愛祐美の内緒の話って何だろう
大翔君。取り巻きは大丈夫だった？
愛祐美こそ。あ、今日は同時だな
ふふっ、本当だね
それで、内緒の話って？
それなんだけど、明後日って何か予定ある？
えーっと、たぶん大丈夫
本当!?あの、よかったら、うちに来ない？と、泊まりで///
と、泊まり///!?
明後日はお母さんとお父さんが、結婚記念日だからって旅行にいくの。だから・・・
あれ？離婚したって言ってなかったけ
うん。だから、お父さんは二人目なの
そうだったのか。わかった。遊びにいくよ
本当に!?ありがとう、急なわがまま聞いてくれて
俺だって愛祐美の家行ってみたいし、別に悪い気はしないよ
じゃあ明後日の放課後、この前の公園に来てくれる？
わかった。ありがとう、楽しみにしてるよ
何で大翔君がお礼を言うの？お礼を言いたいのはこっちだよ？
いや、女の子の家に上がるなんて、初めてだからさ。それが愛祐美の家となると、なおさら・・・
ふふっ、じゃあ、楽しみにしててね。きっと、がっかりはさせないよ
あぁ、期待してるよ
・・・・・
明後日、ねぇ。妹友ちゃんには謝って、断りの連絡を入れておこう
兄貴、顔がニヤけてるけど？
え!?そ、そうか？
ホント顔に出やすいよね。また何かいいことでもあった？
実は明後日、愛祐美の家に泊まりに行くことになった
え!?あ、朝帰り・・・///!?
ば、バカ、変な妄想すんなよ？
でも、期待はしてるでしょ？
ま、まぁ、ちょっとはな///
しょーもないなぁ、男って
わ、悪かったな
いいよ、兄貴が変態なのは前から知ってたから
ど、どういうことだ？
兄貴って、ホントは妹が好きなんでしょ？
い、いや、突然で何を言ってるかさっぱり・・・
実妹がいるのに、妹モノのHな本やビデオがあるなんて、あたしにそういうのを要求してるわけ？
なっ!?何で、知ってんの・・・？
やっぱ会長さんも、妹属性なの？
ま、まぁ・・・。幻滅、した？
いや。一応あたしは兄から愛される身分にあたるようだし？
ごめん。忘れてくれ
あんなに妹というものが好きだとは思わなかったよ。それに、あたしにはちょっと、刺激が・・・///
ご、ごめん
それじゃあ、あたしとキス、してくれたら、忘れてあげる///
えっ!?
できないの？兄貴。あ、おにぃちゃんって呼んだ方がいい？
わかったよ。キスすればいいんだろ？
そうだよ、おにぃちゃん
その、おにぃちゃんっていうの、やめてくれないか？
じゃあ、お兄様
あー、もう何でもいいや
お兄様ぁ、はーやーくー
わ、わかってるって。・・・ちゅっ///
ん・・・んちゅっ///
はぁ、な、何で舌入れんだよ
い、いいじゃん。こっちの方がいいかと思って
まったく、もういいだろ？
うん。ありがと、お兄様
これからお兄様で固定なんすか・・・？
細かいことは気にしない
・・・もう何でもいいよ
・・・・・
お兄さん・・・。やっぱり僕じゃ会長さんには敵わないか・・・
でも、紗貴にだけは、お兄さんは渡さない。絶対に
・・・・・
愛祐美。遅くなってごめん
全然大丈夫だよ。さ、行こ？
あぁ
・・・・・
はい、到着。ここが私の家だよ
へぇ、一軒家だったんだ
さ、上がって
お、お邪魔します
大丈夫。誰もいないよ
えっと、荷物はどこに置けばいい？
あ、とりあえず私の部屋に置いてくれる？
わ、わかった。あの、部屋、上がってもいいの？
いいよ。そんな遠慮しないで。自分の家だと思ってくつろいでよ
いや、女の子の家上がるのなんて初めてだし
私も、男の子家に呼ぶのなんて初めてだよ
そういえば、この家は家のルールとかあるの？
え？何それ
ないのか。うちにはあるんだよ。例えば、食事中はテレビを見ない、とか
へぇ～、そんなのあるんだ。うちはそういうのないから、好きにしてくれていいよ
とりあえず、少し休もうかな
ふふっ、私も。ちょっと昼寝しようかな
あぁ、そうだな
・・・・・
ん～。愛祐美、はまだ寝てるのか。まったく、可愛らしい人だな
あ、俺に寄りかかって寝てるから、動いたら起こしちゃうかもな
こんなに気持ち良さそうにしてるし、もう少し寝かせてあげよう
ただいまー
え？今誰かの声が聞こえたような・・・。誰もいないんじゃないのか？
あれ？知らない人の靴だ。お姉ちゃーん、誰か来てるの？
ヤバい、こっち来る
お姉c・・・
ど、どうも。お邪魔してます
えと、どちら様で？
あの、愛祐美さんとお付き合いさせて頂いている者で、大翔と申します
お姉ちゃんの、彼氏？
うん、そう。俺が愛祐美の彼氏だなんて、改めて言われると照れるな///
お姉ちゃんは、どうしたの？
疲れてたみたいで、昼寝するって
ふ、ふーん・・・
えっと、君は？
あ、私？私は愛祐美の妹の、奈々美(ななみ)。よろしくね
俺の言うこと、信用してくれるのか？
だって、あのお姉ちゃんがここまで心を許す人だもん。人格は安心できるね
俺が愛祐美に睡眠薬を飲ませたストーカーという可能性もあるぞ。それでも俺を信用してくれるのか？
わっ！確かに・・・。家に押し入った性犯罪者の可能性も捨てきれない・・・。っていうか自分で言っちゃうんだね。そういうの
だろ？なのに、そんな簡単に人を信用しちゃダメだぞ
でも、優しいんですね。そこまで言ってくれるなんて。とりあえず通報しますけど、いいですか？
わぁぁっ!!そ、それだけはご勘弁をっ！
なんで？やましいことがあるから？
ないよ、ないがっ！彼女の妹に不審者として通報されるなんて、惨めすぎるだろ？
冗談だよwww本気だったらとっくにしてるって
それもそうか。心臓に悪いし笑えないって
よくお姉ちゃんが言ってたよ？もう少し冗談に強くなってくれたらいいのにって
そうか、俺のことで心配事をさせてしまってるのか
まぁ、何にしてもお姉ちゃんが起きれば、全て解決するし
そうだな。そっちが偽者って可能性もあるし
わ、私を疑うの？
愛祐美から、妹がいるなんて聞いたことなかったぞ
そんな・・・。でもほら、よく見たら顔とか似てない？
うーん、似てない
そうなんだよね。いつも似てないねって言われるんだよね
うん、愛祐美の方が可愛く見えるぞ
うわ、それ絶対彼女補正入ってるってwwどう見てもお姉ちゃんなんかより、私の方が100倍可愛いじゃん
よく自分でそこまで言えるな
だって事実だし
確かに君も可愛いけど、愛祐美よりかって言われると、それはないかな
えー、なんでー？
何でって言われても・・・
あー、わかった！貧乳の私より、胸のあるお姉ちゃんの方がいいってこと？
ち、違うって
やっぱ男はそういうとこ重視するもんね
だから違うって
どーせ私は貧乳だから、いくら可愛くてもダメなんだ・・・
だから、違うって言ってるだろ！
え・・・？
あ、いや、胸が大きいかどうかなんて、大した問題じゃないさ。見た目なんて、言ってしまえばどうとでもなるんだし
・・・
大事なのは、気持ちだろ？愛があれば、何だって関係ないさ
はぅ・・・
(ズルイよ。そんな言葉をかけてもらって、こんな優しく頭を撫でられたら、ほ、惚れちゃうじゃん///)
ん～、ふわぁ～。おはよう
おはよ、愛祐美
おはよう、お姉ちゃん
おはよう、二人とも
おはよう。じゃないよ、まったく
妹がいるならそうと言ってくれれば
あ！ごめん、すっかり忘れてた。でも、もう自己紹介とか済んだよね？
ま、まぁ
お互いに、疑惑が晴れてよかったね
そうだな
・・・？
じゃあ、これからは、お兄って呼んでいい？
え？な、なんで？
だって、私の義兄になるんでしょ？
大翔君・・・///
そうなったら、いいな///
そしたら私は、お姉ちゃんもお兄ちゃんもいることになるんだ。嬉しいな
そうなったら、私も嬉しいな
あぁ、幸せだな。頑張って、実現してみせるさ
って、そういえば奈々美がいるってことは、もうそんな時間!?
本当だ。だいぶ時間が経ってたんだな
ごめん。夕飯すぐ作るから待っててね
あ、俺も手伝うよ
ありがとう、兄君
・・・・・
こうして見ると、愛祐美本当に料理上手だな
ふふっ、大翔君もなかなか上手だよ
でも、俺はいつも妹に頼って、自分では作らないから
これを機に、今度は大翔君が妹さんに作ってあげたら？
そうだな。それもいいかもしれない
よし、できた
・・・・・
いただきまーす
・・・
あれ？この味噌汁いつもと違うね
あ、気付いた？
うん。いつもとは何か違うけど、美味しいよ
本当に？
うん
よかったね、大翔君。本当、美味しいよ
よかった
え？もしかして、これお兄が作ったの？
そうだよ
へぇ、意外と料理できるんだね
今日が初めてだけどな
え・・・？
大丈夫だよ。私が側で監督してたから
だから余計に心配だよー
え？愛祐美ってそんな信用ないの？
お姉ちゃん、こう見えてわりとドジだからねー
そ、そうなんだ
面目ない・・・
いや、ほら、俺が言った言葉、覚えてるか？
うん・・・
なら、安心だ
ありがと、大翔君
え？ちょっと何2人だけの会話してるの？
内緒♪
えー
・・・・・
ふぅ、さっぱりした。やっぱりご飯の前に、お風呂入っとくべきだったなぁ
悪いな。一番最後で
いいよ。そんなことより、今日一緒に寝よう？
え？
嫌？
嫌じゃないけどさ・・・
大翔君は今日私と寝るんだからダメだよ
じゃあ3人で寝ようよ
それならいいんじゃないか？
大翔君がそういうなら、いいけど・・・
やったー！
ごめんな。でも1人にするのは可哀想だと思って
まぁ、大翔君は誰にだって優しい人だしね。さ、部屋に行こう？
あぁ
早くー！まだ寝ないの？
今行くよ！
本当、しょうがないなぁ
つ・づ・く
