……
……
なんです?これ
拾った
拾った!?
お前んちの庭で
なぜ私の家の庭で!?
科学部の人間としてこれは非常に 興味深い物質だと思いましてつい
別にスルーしてくれても よかったんでよ……
えー、これ可愛いじゃんこれ
………
………
……まあ、気持ち悪くは無いですけど
ナイスツンデレ
誰がツンデレだ
ところで後輩くん
非常に嫌な予感がする
これ飼おう
自分の家で飼えばいいじゃないですか
私のアパート、ペット禁止だし
……それはつまり
この家で私の代わりに 飼ってもらうと言うことだ!
やっぱりか!!!
嫌ですよ!なんでこう動物図鑑に 載ってないようなモノを飼わなきゃ いけないんですか!
………説明が欲しいか?
えっ、まともな理由なんて あるんですか
……私の家が貧しいのは 知っているよな
え、ええまあ
だからだ
え?
この見たことも無い生物をだ
私が第一発見者として学会に 発表しようと思ったわけで
……
つまり、こいつの生態系を調べて 繁殖を試み────
ピルルルルルル
あ、電話
………
先輩、そのポーズでちょっと 待っててください
その必要性ある!?
もしもし……
……はい
…………
(手つらたん)
は!?
うおうびっくりした
……そうですか、分かりました…… 失礼します
ピッ
……先輩
手下げていいですか
先輩の先輩から電話だったんですがね
……うん。あのハカセね。 で?
その先輩のとこにも
その生物が発見されたそうです
………
つまりそれ私の計画台無しじゃね? ハカセだったら絶対こいつの 研究するじゃん
そういうことになりますね
………
しかも繁殖目的でもう一匹 欲しがってました
……差し出せと?
そういうことになりますね
………私の一攫千金は一体
諦めましょう
その後色んな場所での出没が 確認されるも、とくに害もなく なんとなくペットとして人気が 出始めるのは数ヶ月先の話である