これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ、これは夢だ・・・朝起きたら・・・
・・・朝起きたら『女の子』になっていたなんて嘘だあああぁぁぁぁっっ!!
・・・
オッパイモミモミ・・・
うわあああぁぁぁぁっっっ、夢じゃなかったああああぁぁぁぁっっっ!! やっぱ胸があるうううぅぅぅっっ!!
・・・朝からなに騒いでるの、お嬢さん。
『お嬢さん』じゃねえ!!俺は男だ!!地蔵壊した呪いでこんな身体になっちまっただけだ!!
分かってるって。仮にもあんたの幼馴染だし。冗談よ、冗談!!
だから、呪いを解く手掛かりを探すために学校に行こうって話でしょ。ほら、さっさと制服に着替えなよ!!
いや、一昨日まで着ていた俺の制服は、女になっちまったせいでサイズ合わないし・・・・・・
そんなこともあろうかと!! ・・・私の女子制服の予備を持ってきてあげたわ!!
い、嫌だ!!着たくない!!死んでも女子制服なんて着たくない!!そんな変態羞恥プレイ嫌だ!!
も~遠慮せんと、ずべこべ言わずに・・・・・・
さっさと女子制服着ろーーーー!!!急がないと学校遅刻するのーー!!!
・・・うわぁ!!勝手に脱がそうとするな!やめっ・・・やめてくれーーー!!
・・・
・・・屈辱だ・・・男の俺が・・・女子制服を着るなんて・・・
・・・おおっ!!似合ってるじゃない!!めちゃくちゃ可愛いわよ!?
・・・嬉しくねーよ・・・スカートってなんか足がスースーして変な感覚だし・・・
・・・なにより、女物の服を着て皆のところに行くなんて・・・女装癖の変態じゃねーか!!・・・恥ずかしい!!
大丈夫!!今の八雲はどっからどう見ても女の子だし、女装だなんて周りは思わないよ!!・・・それに・・・・・・
あなた元々、友達少ないから大丈夫じゃない?気にすることないって!!
さらっと傷つくようなこと言うなよ!!・・・ああ、これもあの狐と地蔵に呪われたせいだ・・・!!
(※脚注)少年が女の子になったのはこの狐の神様の呪いが原因で、現在少年はこいつに取り憑かれています。
地蔵壊したのはアンタだし自業自得じゃない。でも『人助け』とか、いいことすれば呪いを解いて貰えるんでしょ?
そのために学校に行くんじゃない!! 学校には困ってる人なんていっぱい居ると思うよ!!ほら、もう行くよ!!
・・・ううっ、マジかよ・・・なんでこんなことに・・・・・・
・・・
みんなーーー!!おっはよーーー!!
・・・う、うわあっ!!急に教室に突撃するなよ!!・・・は、恥ずかしいんだよ・・・女子制服が!!
・・・おっ!!スモモっちじゃん!! 昨日、八雲と一緒に学校休んでどうしたんだ?・・・まさか・・・・・・
・・・ついに八雲と一線を超えてしまったのか!?
・・・え?なに言ってるの違うよ!! ・・・もぉ!!響くんはすぐそっちの方に話持っていくんだから!!
・・・ははっ!!わりぃわりぃ!! ・・・ところで八雲の野郎は?まさか男のくせに風邪で二連休とか?
・・・誰が二連休の軟弱野郎だって? さっきからここに居るだろうが!!
・・・んんっ?誰だ姉ちゃん?この学校に俺の知らない女子が居るとは・・・
・・・はっ!?まさか昨日、八雲とスモモっちの間に出来た子供!?もうこんなに大きくなって・・・!!
いや、どんな成長速度だよ!? 相変わらず発想がアホだなお前は!!
女子A「えー、なになに?スモモちゃん子供できたの!?」
男子A「って、いうかあの女子誰だ!?めっちゃ可愛いんだけど!!転校生!?」
ほらほら、みんなそろそろホームルーム始めるわよ!!席に戻りなさい!! ・・・そこの女子生徒もクラスに戻る!
・・・お、俺!? いや、待ってよ先生!!俺は・・・!!
・・・!! 先生、違うんです!!クラスの皆も聞いて!!・・・実はこの子は・・・・・・
・・・
全員「この子が・・・呪いで『女の子』になっちゃった八雲だって!?」
・・・ちょ、馬鹿か!?本当のこと言ってもこんな突飛な話、みんな信じるわけないだろ!?
まあまあ、嘘ついててもいずれバレちゃうし・・・それにほら、大丈夫だよ。
・・・どういうことだよ!?
・・・お前、本当に八雲の野郎なのか!?どおりで俺が知らないわけだぜ・・・
・・・よし!!友達のよしみでデート行こうぜデート!!男同士なんだから気軽でいいだろ!?
・・・は?
コラ!!ダメですよ響くん。八雲くんは今きっと大変なんですから・・・!!
八雲くんもこれから困ったことがあるかも知れないけど、何かあったら先生に聞いてくださいね!!
(・・・にしても、男同士でデートなんて・・・響くんはなんてこと言いだすんでしょうか・・・ああっ、妄想が!?)
・・・なんで皆あっさり受け入れられるんだ!?いや、そのほうがいいけど・・・
多分、これも呪いの効果なんじゃないかな?私も最初のとき、案外あっさり状況飲み込めたもん。
・・・なるほど・・・便利だなこの設定・・・
この後、八雲はクラスの皆に質問攻めでもみくちゃにされたが、ほとんどが八雲の女体化を気に留めなかった。
・・・そう、「ほとんどが」である。 ・・・実は彼の存在に疑問を持つ者もいたのだ・・・・・・
・・・あいつ・・・八雲だっけ・・・? ・・・まさか・・・
・・・『野狐憑き(やこつき)』か・・・? ・・・だったら・・・私が・・・・・・
あれ?小太刀(こだち)さん、どうかしたの?
・・・な、なんでもない!!私に気安く話しかけるな・・・!!
・・・あ、逃げられちゃった・・・どうもあの子とはまだ仲良くなれてないんだよなぁ・・・
・・・にしても・・・『やこつき』ってなんのことだろう・・・八雲とこの状況に関係があるのかな・・・?
・・・一つの謎を残して、彼女たちの不思議な日常は続く・・・
おまけ
その頃、八雲は・・・
なあなあ!!女の身体ってどうよ!?なんかやってみた!?アレとかコレとか!!
はあ!?いやいや!!・・・そ、そんなことするわけ無いだろ!?
女子A「ちょっと、響くんサイテー。八雲くん赤くなっちゃってるじゃん!!」
・・・サイテー!?
女子B「そうだよ!!イケメンでも言っていいことと悪いことがあるんだよ!?・・・ねー、八雲くん!!」
・・・いや・・・俺が赤くなってるのは・・・その・・・・・・
女子A「・・・にしても八雲ちゃん、おっぱい大っきいね~。なに食べたらこんなに育つの?・・・えい!!」
・・・ひゃあ!!ちょっと揉むな!!揉まないでよ!?
女子B「あはは!!反応可愛い~!!いいじゃん減るもんじゃないんだしー。それ~!!」
・・・あっ、ちょっと・・・///(俺の顔が赤くなってるのはっ・・・)
(・・・主にあんたら女子のほうが原因だーーー!!)
・・・ああ・・・女子たちの揉み合い・・・眼福眼福・・・・・・
普段、人とあまり関わらない八雲は男女の双方からいいように弄ばれる運命なのでした。
おしまい。