おーい、やっくん!! 学校遅刻するぞ―!!
・・・・・・
おいこら神主の息子!! 可愛い幼馴染が起こしに来てるってのに起きないとは天罰下るぞ!?
・・・・・・
う~ん、おかしいな。 もう直接上がり込んでみよう!!
・・・? 今、なんかいたような・・・気のせいかな?
・・・・・・
・・・その頃。
・・・どういうことだ・・・・・・なんでこんなことに・・・・・・
やっくーん!!八雲くーん!!起きてるー?上がるよー!?
・・・ま、マズいっ!!あいつ、また勝手に家に上がり込んできやがってっ!!
・・・こんな姿見られたら俺、どうすれば・・・・・・
ガラッ
うっ、うわあっっ!!
八雲コラー!! あんたの可愛い可愛い幼馴染、スモモちゃんが起こしに来たぞーーー!!!
・・・って、あれ?
(お・・・女の子?) ・・・ど、どちら様・・・ですか?
・・・俺だよ・・・
・・・え?
お前の幼馴染、八雲だよ!! ・・・朝起きたら女の子になってたんだよっっ!!!
・・・は?
・・・はああああああっっっっっ!??
・・・・・・
・・・取り敢えず学校には私たち二人とも休むって連絡しといたけど・・・
わりーな。すげー助かる・・・さすが我が幼馴染。
いや、っていうかホントに八雲なの? そうだとしたら一体何があったの?
・・・それが昨日さ。掃除の途中で大事なお地蔵様をだな・・・
ガッシャーン!!
うわあっ!? やべぇ、地蔵の首が取れちまったっっ!!マミったどうしよう!?
・・・!? ・・・なんか地蔵が光り出して・・・
・・・は?(・・・急に女の子が・・・)
・・・
・・・!!
・・・
・・・お、おい待て!!
・・・あ、あれ?
・・・なんか・・・眠気が・・・・・・
・・・・・・
・・・で、起きて気がついたら女の子の身体になってやがったんだ・・・・・・
・・・なんていうかアレだね。完璧にお地蔵様に天罰喰らったんだね・・・呪い怖っ・・・!!
・・・はあぁぁ・・・これからどうなるんだ・・・元に戻れるのか俺・・・・・・
・・・!! が、頑張って元に戻る方法探そうよ! 私も全力で手伝うからさ!!
スモモ・・・助けてくれるのか・・・? ・・・俺、いつもお前に迷惑かけてんのに・・・・・・
・・・あ、当たり前でしょ!! あんたが女の子のままじゃ困るんだから!!
・・・? ・・・それって・・・どういう意味・・・
・・・な、なんでもない!!
・・・と、とにかくお地蔵様から出て来たっていう狐耳の女の子を探そうよ!!
多分、その子がこの神社の神様で、八雲が女の子になった原因だよ!!
・・・そうか、そうだな。 ・・・この格好で外に行くのは女装してるみたいで・・・嫌だけど・・・
・・・スモモが一緒に来てくれるなら・・・心強いな・・・!
・・・えっ、そんな・・・・・・
ありがとう、スモモ!!
・・・やっくん・・・・・・!!
(・・・そんな笑顔で「ありがとう」だなんて・・・な、なんかすごく可愛いし・・・っていうか・・・・・・)
(・・・・・・なんか八雲のくせに私より女子力高そうなんだけど!?これが男の笑顔だって言うの!?)
よしっ!!狐耳のあいつを探すぞ!!絶対男に戻ってやる!!
うん!!私も負けないんだから!!
・・・は? ・・・何の事だ?
八雲は黙ってて!! これは女の戦いよ!!
・・・いや、だから俺男だし・・・・・・
こうして二人の戦い(?)は始まった。 ・・・そして、八雲が男に戻るのは・・・まだちょっと先のお話。
おまけ
・・・そういえば気になってたんだけど、あんたその女物の服どうしたの?
・・・ああ、これは・・・
・・・ま、まさかそういう趣味があったとか!?
・・・は?
・・・ごめんね・・・幼馴染なのに・・・気付かなくって・・・いや、そんなこと話せないもんね・・・
・・・い、いや・・・だから・・・
ううん、いいの!! あなたが例えどんな趣味でも私は・・・あなたのことが・・・
・・・だーーーーっっっ!!! ・・・・・・だから違うっての!!
俺の服が全部サイズ合わなくなっちまってたから、仕方なく東京行った姉ちゃんの服を借りてるだけだって!!
え、ああ・・・そっか。大学生のお姉ちゃんが居たもんね。
・・・よかったぁ~。やっくんに変な趣味があったのかと思ったよ・・・
・・・ったく。 俺だって好きでこんな格好してる訳じゃないっつーの!!
っていうか、さっき「・・・あなたのことが・・・」とか言ってたけど、あれなんだよ。
・・・へ!? ・・・いや、それは・・・その・・・
・・・気になるだろ!! ・・・胸を割って話してみろよ。胸を・・・
・・・
・・・胸・・・・・・?
もにゅ
・・・ああ・・・うん。 ・・・あるんだよな・・・今の俺には・・・ ・・・ああ・・・・・・なんか凹んだ・・・・・・
・・・くそっ・・・地蔵さえ壊さなければ・・・あの狐娘め・・・なんで女にしたんだよ・・・呪いなら他にもあっただろ・・・
(・・・!)
・・・だ、大丈夫だよ~!! もしあんたがこのまま元に戻れなくても・・・・・・
・・・・・・わ、私が・・・お嫁に貰ってあげるわ!!
・・・は?
・・・にしても、狐の神様のおかげでお嫁に貰えるなんて・・・
これがホントの『狐の嫁入り』ってやつね!!
・・・さっき言いたかったのはそれか?
・・・そ、そうだよ~あはは~。 (・・・あぶないあぶない。なんとか誤魔化せた・・・)
・・・ならいいけど・・・って、よくない!!だから俺は男だっての!!
おしまい。