「なぁ、聞いてくれよ」
「なになに?」
「この間、駄菓子屋に行ったんだよ。暇だったし、駄菓子を買いにな」
「へー、駄菓子屋かぁ。この頃、行ってないなー私」
「いいから聞けって、それでな、取りあえず。ふ菓子と、ねり飴買ったんだよ」
「それを駄菓子屋のおばちゃんに持って行って、お金払って買おうとしたらさ。ふと視界に、気になるものがは
いったんだ。それは蛇ガムっていう長いガムでさ。その駄菓子屋においてある商品だったんだ」
「へー、じゃあ商品を食べちゃってたってこと?まぁ、経営者本人だからいいのかな?」
「いいから聞きなさいって、それで聞いたんだよ俺、その蛇ガムどうしたんですか?って、そしたらその婆さんな
なんて言ったと思う?」
「うーん、わかんないなぁ」
「その婆さん、近くにある駄菓子屋、ライバル店なんだけど、そこで蛇ガム買って食べてたんだよ」
「なんでも、婆さん曰く『ライバル店の味を確かめる』だってよ(笑)駄菓子に味も何も全部同じだろ(笑)」
「へー、それじゃあマイナスなだけだね。ライバル店にお金あげちゃってるようなものだよ」
「だろ?……話はそれだけ」
「……」
「…………」
「ごめん、コレ本当の話なんだ」
「作り話なんて望んでないわよ!」
「じゃあ、今の全部、作り話だ」
「今、じゃあって言った! じゃあって言った!」