……まだ妖怪が残っていたなんて……お母様の代で全部倒しきっていたはずなのに……。
私の先祖は、妖怪退治を行う巫女の家系だった。
お婆様もお母様も、妖怪を封じるための不思議な力を持っていた。
私もその力を受け継いでいる。
お婆様の代で妖怪はほとんど倒され、お母様の代で全滅したって聞いていたけど……。
生き残りがいたの。
お母様たちから聞いていたけど……いざ戦うとなると、怖かった……。
幸いにもその妖怪はあまり強い部類じゃなかったから、巫女の力を少し使うだけで倒せた……。
だけど、生き残っている妖怪がどのくらいいるのか分からない。
それに、今度はこんな簡単に行く相手じゃないかもしれない……。
美羽、そんな暗い顔して……不安になったのか。
ち、違うわよ……ちょっとお腹が空いただけ。
この子は……分かりやすく言うと、使い魔みたいな存在で、名前はみゅー。
私は普段、巫女の力をこの子に預けているの。
私の家系での巫女は、この子の様な使い魔に力を預かってもらって、いざという時に使用するの。
そうしないと余計な力を使ってしまって、上手く力をコントロールできなくなるの。
もうすぐ12時だ。お昼にしよう。
ちょっと! 毎回思うんだけど、なんであんたが仕切ってんのよ。
俺は美羽の保護者だからな。子供の面倒は親が見るものだ。
子ども扱いするなっ!
戦いのときには頼りになるんだけど、普段から偉そうなのが気に入らないのよね……。
ここにしよう。
だから仕切るな!
ガッシャーン!
!?
な、何……? 一体……。
揉めているようだな。トラブルに巻き込まれるのは避けるべきだ。別の場所にしよう。
だから仕切るなって……
ッ!!
危ない美羽ッ!!
ガッシャーン!!
んー、本体は楽そうだけど……厄介なのはあの変な方ね。
……だが、その本体もこちらの攻撃に気がついていた……。
そうは言っても、交わすことが出来ないなら意味はないわ。
な、何? この人たち……。
こいつら……妖怪だ!
えっ!?
それにあの赤髪の方は何なんだ……妖怪なのか……? 今までとは違うぞ!
特別な私に気が付いちゃうなんて……やっぱりこの子、凄いわ♪
お前……何者だ? 妖怪……ではないのか?
確かめてみる……? でも残念♪ 私に構ってる暇なんてないと思うんだけど……ほら♪
……ハッ!?
きゃぁっ!!
……弱いな、弱すぎる。
美羽ッ!!
……ほう、お前も一緒に戦うのか? ちょうどいい、少しはマシになるだろう。
美羽! 巫女の力をお前にッ!
分かったわ! 行くわよっ、みゅー!!
……こい。
ちょっとあんた、油断するんじゃないわよ。あいつら……美代子の娘ってこと覚えてる?
あんたがぼろ負けした相手だろ? 分かってるさ……。
そんな細かいこと覚えてるんじゃないわよ! 次は勝ったのよ!! いい? まけるんじゃないわよ!!!
……さて、うるさいのも消えた……それがお前の本当の力か……。
内に秘められしマナ達よ……その力を解き放ち、聖なる力を与えたまえ!