(……ひろ君)
……ふー。
(今日もとっても可愛いわ……お姉さん、興奮しちゃう!)
なぁひろ。あそこにいる人って……お前の知り合い?
えっ? どこどこ?
ほら、あそこの女の人……上級生かな?
(えっ!? ひろ君が私を見てるっ! いやっ! そんな可愛い顔で私を見ないでっ!!)
えー、どこだよ。誰もいないじゃないか。
(やんっ……膨れた顔もとってもいいわ……だめだよひろ君……そんなに見つめられたら……私……)
……あれーおかしいなぁ。さっきまであそこに人がいたはずなのに……。
今日は午前中授業だったし、学校に残ってるの、宿題忘れて掃除させられてる僕らくらいなんだよ?
(さぁひろ君っ! 私の事怒って! 怒られてる私の姿を見てぇっ!!)
まぁいいや。それよりもとっとと帰ろうぜ。これだけ綺麗にすれば文句ないだろ。
そうだね。帰りにどこか寄って行こうよ。
(あれ……ひろくーん! どうしてお姉さんを無視するのーっ!)
(……?)
……!
あれ……何か……変……。
私の腕……消えてる……!?
ど、どういうこと!? それに足も髪の毛も……一体……!?
!!
……鏡に……洋服だけ写ってる……。
私……透明人間になっちゃったの!?