美羽ー? おはよー……って、あれ?
どこいったのかしら……あっ……
(いけない……今日は月曜日だった……)
あれー? 智子ちゃんじゃない。
あっ……えっと……。
自己紹介がまだだったっけ? 私は鈴川里美よ、里美。この前美羽ちゃんと一緒のとき会わなかったっけ?
は、はいっ! 覚えてます……えっと……大学二年生の里美さんですよね……?
そうそう♪ いやぁー大学になってから朝がのんびりできて楽だわぁ~♪
それよりも智子ちゃんって、美羽と一緒に学校に行ってないの? 確か同じ学校だったわよね?
!! ……えっと、それは……
ああでも……クラスは違ったのかな……あ! 学年も智子ちゃんの方が一つ上だっけ。
そ、その……し、失礼しますっ!!
と、智子ちゃん!?
……? 変なの……。
はぁ……はぁ……
(どうしよう……。とにかく今日は誰とも会わないようにしなきゃ……)
(と、とにかく今日はあんまり入ったことない場所で時間を潰すことにしよう……)
ここがいいかな……。
美羽のアパートから2キロほど離れた場所にある喫茶店に足を運んでいた。
(ここなら顔見知りの子はいないはず……)
あら? あなた智子さんじゃありません?
(!?)
不意に名前を呼ばれ、びっくりした。
……ですよね? 智子さんですよね?
…………。
……ここでも無視ですか。
ち、違います……無視してるわけじゃ……
だったらどうして私の質問に答えなかったんですか?
…………。
ほらやっぱり無視してるじゃないですか。
…………。
この子は……同じクラスの皐月浅香さん。
……私にはそれしか分からない。
だけど浅香ちゃんは私のことを全部分かってる……。
そうやってみんなを無視しているから、あなたは孤立したんですよ。
(……違う)
私が心配して、学校に遅刻してまであなたとお話ししてあげているのに……。
(……私は)
それとも、私に会うのが嫌なの? こんなにあなたの事を心配しているのに。
(浅香ちゃんのことが……)
私、あなたと友達になりたかっただけなんだけどなー。それなのに嫌うって酷いなー。
(怖いの……)