誰かあたしを拾ってくださぁい… うぅ、そこのおね~さ~ん… もうダメ、死にそ~
へ!? み、みかんの箱が喋ったっ… 箱って生きてるの…?
ん?よく聞こえませんけど… 拾ってくれるんですね!ありがとう! おねーさんってば気前がいいっ♪
いいいいいやいやいや、え? 拾えばいいんでしょうか… ん~…うわぁ、重っ!?
失礼な!乙女に重いだなんて… 拾ったからにはしっかりしてください!
うぅ、だって私拾うなんて言ってない…みかんは好きだけど…中身だけちょっと貰えばいいのかな…?
やめてよぉ!そんなグロテスクなぁ、中身って内臓? 見損なったよおね~さんっ
ちょ…え…は、はひ? みかんが人になっちゃったぁ… な、内臓って…ええ?
あ、あれ?おね~さんは内臓売らないのかな? ならいいんだけど…。
売るもなにも…なんでみかん箱になんて女の子が入ってたんですか? 普通の人なら通報ものですよ
だって…この間までお世話になってたおに~ちゃんに追い出されちゃって
住む所もないしお腹空いちゃって… そこで捨て猫っぽく箱に入ってればこう、誰かがさぁ…
拾ってくれるとでも思ったのですか?
だってだって、もうちょっとで死ぬ所だったんだよ~! 生き残るための手段なの!も~
そ、そうですか… まぁ死にそうな人をほっとくのも気が引けますけど…
そうでしょ?そして現におね~さんは拾ってくれたしね♪
だからって… 私が今ここで立ち去ったらどうするんですか?
え? お、おね~さんはそんなことしないよねっ…
え…いやまぁ、例え話ですけど… じゃあ、私は何をすれば?
うんっ! あのねっ、「拾って」♪
拾ってって言われても… お腹が空いて死にそうなんですよね?
うん…だから、おね~さんがあたしを拾ってご飯をくれたら嬉しいな…?
仕方ないですね… とりあえず死なない程度のご飯なら作ってあげられますけど?
ふふん、あたしの目に狂いはなかったね…
へ?な、何がですか?
おね~さんは優しい! あたしを絶対拾ってくれる、ってね♪
う…ま、まぁとにかく! 死にそうなんだから早くご飯を食べましょうよ、ね?
うんっ! えへへ、おね~さんの手料理楽しみ♪
じゃぁ…行きましょうか
は~いっ!