「え~。突然ですが僕には2人の姉がいます」
「1人目がこの人」
「いつもニコニコ僕の隣に這いよる次女。見つかった瞬間、世話焼き・抱きつき当たり前の弟(僕)大好きな ダダ甘大学生」
「続いて2人目」
「全身から溢れ出す魅惑のエネルギーを自在に操り、男を骨抜きにする能力者。我が家の稼ぎ頭の一本だけど、『謎の組織のエージェント』としか教えてくれないので何の仕事をしてるのかはよく分からない」
「ちなみに両親は海外に転勤中なので家には僕たち3人だけ」
「姉弟仲は・・・・・・」
「悪くない――というより良すぎるくらいです・・・・・・」
「何はともあれ実際に見て頂きましょう。それでは――」
「START!」
「ただいまー」
「お帰りー!!」(ギュッ
「!!?」
「あ~。やっと帰ってきた~。ずっと補給したくて待ちくたびれたよ~」(ギュー
「モガモガ!(ちょ! お姉ちゃん! ・・・胸! ・・・顔に胸が当たって・・・!! ていうか補給って何!?)」
「ん~オトウトニウム~・・・。オトウトォ~・・・┌(┌ ^o^)┐」
「モガ、モガ(・・・・・・全然聞こえてない。・・・息が! 息が苦しい!)」
(・・・でも、いい匂い。それに・・・とっても、柔らかい・・・)
「待てーい!!」
「「!?」」
「赤姉ジャイ!」
「赤姉ジャイ!」
「赤姉ジャイ!」
「赤姉ジャイ!」
「赤姉ジャイ!」
「5人揃って! 5姉ジャイ!」
「プハッ! いや、1人じゃん! 何!? 今の昭和のニオイたっぷりな1人コント!?」
「あぁ・・・離れちゃった・・・(´・ω・`)」
「お姉ちゃんお帰り~」
「ただいま。仕事が早く片付いたから一目散に愛する我が家へ帰ってきちゃった」
「そうなんだ~。私も最後の授業が休講になって早く帰って来れたんだ~」
「説明乙。ていうか、僕のツッコミ総スルー?」
「な~に~? そんなに自分の『ツッコミ』に反応して欲しいの~?」
「なんで『ツッコミ』を強調して言うの!?」
「まったく・・・。私というものがありながら、帰ってきてみれば他の女の胸の中とは。いいご身分じゃない・・・ねぇ?」
「『私というもの』って何!? 実のお姉ちゃんでしょ!?」
「そうよ! お姉ちゃん!」
「『他の女』なんて心外よ! 『私』の、弟でもあるんだから~」(ギュゥ
「え! また!?(フガフガ」
「生き返るぅ~」
(苦しい・・・! でも・・・(いい匂いを)感じちゃう!)
「へぇ~・・・。言ってるそばから見せつけるとは見上げた度胸ね・・・」
「モガ! フガ!?(どう見たって僕のせいじゃないよね!?)」
「もぉ~暴れないのぉ~」(ギュウッ
「さ~て? 何言ってるのかさっぱり分からないわね~」(ギュッ
「!?」(後頭部にも柔らかいものが・・・!?)
「相変わらずいい位置に頭があるわね~。もしかして姉2人のおっぱいに挟まれるために、わざとその身長なんじゃないの~?」
(うぅ・・・。背が低いの気にしてるのに・・・)
「ん~幸せ~」
(こっちはこっちで自分の世界にトリップしてもはや話聞けるような状態じゃないし・・・)
「・・・・・・」(サワッ
(!!!?)
「ちょ、お姉――ブハッ! どこ触っ――ムグッ!」
「・・・・・・『ツッコミ』のための臨戦態勢は整ってるみたいね」
「ムグッ! モガッ!(何言ってるの!?)」
「自分の『ツッコミ』に反応して欲しいんでしょ~? だったらまずはソレができる状態にならないと、ねぇ?」
「ムグッ! ムグッ!(やっぱりそうだ! 今確信した! お姉ちゃんの言う『ツッコミ』は絶対違う意味だ!!)」
「さ~て、アンタが一体ナニをどういう意味で捉えて言ってるのかさっぱり分からないわね~。ふふっ・・・」 (サワサワ
「・・・・・・はぁ、はぁ」(うぅ・・・。もう・・・やめてよ・・・お姉ちゃぁん・・・)
「あれ? なんか急にさっきまでの元気がなくなってきちゃったみたいな・・・」
「心配しなくて大丈夫よ~。そう見えて実はスッッッゴク『元気』だから」
「ホント!? なら良かったぁ~。それじゃあ改めて・・・!」(ギュッ
「モガッ!?」
「ふふ・・・。もしかして『実のお姉ちゃん』に興奮しちゃったのかなぁ~」
「プハッ! そんなわけ! 無いでしょ!」
「・・・・・・そう。それならそうね~。そろそろ――」
(解放してもらえる!?)
「前と後ろ交換しましょうか」
(ですよねぇ~・・・・・・)
「ええーっ! まだまだ前からギュッってした~い」
「もう充分でしょ? そろそろ私にも譲りなさいよ」
「・・・・・・はぁ~い」
「・・・・・・当然僕に発言権はないんです――ムグッ!?」
「ふふふ・・・。どっちのお姉ちゃんの方が興奮するのかなぁ~?」
「ムグッ――(だから違――)」
(仕事終わりだからなのか、ちょっとしっとりしてる・・・。でも全然汗臭くなくて・・・。それどころかお姉ちゃんにも負けないくらい――)
「ちょっとタイミングが悪かったわね。今日は外働きじゃなかったけど仕事終わりの直帰だからあまりいい匂いはしないでしょ?」
「うぅ・・・」
「何ともハッキリしない反応ね。・・・まぁ、いいわ」
「ねぇ・・・。もぅ・・・ホントに・・・やめようよ・・・。恥ずかしいよ・・・」
「何を今さら。アンタが小さい頃、いつもお風呂に入れてあげてたのは誰だと思ってるのよ?」
「いつの話してるの・・・。僕、もう高校生だよ?」
「・・・お風呂。・・・・・・お風呂、ねぇ~?」
「・・・・・・え?」
「よし、決めた! 久々にこれから3人で一緒にお風呂へ入りましょう!」
「ええーっ!!?」
「あ! それすごくいい! 久々に弟くんの体洗ってあげたい!」
「そうでしょう、そうでしょう」
「いやいやいや、それはさすがに・・・」
「ち・な・み・に」
「・・・・・・え?」
「アンタがさっきさり気なく『昭和のニオイ』とか言ったのはちゃんと覚えてるのよ・・・?」
「うっ・・・!」
「さ~て、アンタはお姉ちゃん達にドコを洗って欲しいのかなぁ~?」
「どこも洗わなくていいよ!」
「なんだったらお風呂で『ツッコミ』の練習をさせてあげてもいいのよ?」
「まったく文脈が繋がってないよ!?」
「どこがよ? 『お風呂』で『ツッコミ』。ちょっとチップを弾んであげれば簡単にできるわよ? 至って自然な文脈じゃない」
「もはや『お風呂』の意味すら変わっちゃった!?」
「・・・・・・アンタも随分と耳年増になったじゃない」
「うっ! そ、それは・・・」
「弟は常に性徴するのね~。ここは是非ともその具合を確かめるべきね。俄然いい機会だわ」
「もうツッコミが追いつかないよ~」
「ほ~らヘタレたこと言ってないの。お姉ちゃんいつもは遅い方だけど、今日に限っては早いんだから。ちゃんと一緒に、よ?」
「・・・・・・それはお風呂に入る時間のことを言ってるんだよね・・・?」
「2人ともどうしたの? 早く入ろうよ~」
「いや、だから僕入らない――」
「ホラ、早く行くわよ」
「うぅ・・・強引に手を引っ張って連れてくし・・・」
こうして僕はただひたすら姉2人のおもちゃとなる生活を送るのだった。
~Fin~