“安価は関係ないが世界救うⅣ 終………”

前回のあらすじ

旅を続ける勇者一行

鍛冶屋仲間にしたり、 武器製作したりとかいろいろした。

パーティのレベルも着実に上がり、 『とある目的』の為に

遺跡に眠る 『堕天剣』を回収しにきた。

ところがお約束。

『堕天剣』には番人が付いていた。

魔神の天王・ソロモンである

今まさに、 番人の終極一手が勇者達を襲う——

オマエラノ生命ヲ ネダヤシニシテヤル!!

番人は技名を発することもなく、 禍々しいエネルギーの奔流を 勇者たちに浴びせてきた

だ、駄目だ! 視界が……!

なっ、なんなのコレ!?

か、体が!

吸収されるようだ…!!

このままでは……………

……アレしかない!

プレアデス・ペネレイター 『恒星昴の光軌跡線』   !!!

ロンズデーライトブレードが 一際強い燐光を迸り、

禍々しい闇を切り開いていく

らあぁっ!!

激しい光と闇のせめぎ合いの末……

てやぁっ!!

勇者の光剣がその勢いに任せ、 番人自体をも切り裂いた。

グヌゥ……ゥガァァ!!!

貫けぇぇぇぇ!

マ、マダ…

イギィィ!!!……

はーっ、はーっ、はーっ………

ふぅっ………

砕け散った番人を背に 勇者は大きく息を吐き、整えた。

………すごいな

あれはたぶん   ブラックホール 『混沌暗黒の玩具箱』ってスキルだ

強制中断条件は 光属性斬撃による強攻撃。

さっすが勇者様! 物知りぃ〜っ!

さぁ、『堕天剣』は何処だ?

………アレだろ

視線の先にはぶっきらぼうに 地面に突き刺さっている剣が一本。

おいしょっ……って、抜けないな…

ごらッ!

だ、駄目だ…ビクともしない…

えい

ジャキィィィン…! 金属音が鳴り響き、 剣はあっさりと抜けた

おいおい、嘘だろ!

銘は ルシファー・エクスカリバー 『十二翼天使の混沌闇聖剣』……

え、エクスカリバー!?

そう書いてあるが?

おかしい……エクスカリバー、 いやエクスキャリバァーンは 三代目勇者にへし折られたはず……

いや……待て

これ、強化された武器だぞ……

復歴は……

うぉい!!?

…どうしたんだい?

ひのきのぼう…… 強化前はひのきのぼうになってる!

…………あれ?

ひのきのぼう

要るか!!んなもん!

………………

どうした勇者

よぉし! 目的は達成したし、 とりあえず魔王倒しに行くぞ!

お、おう……

ちなみに

『とある目的』 とは、魔王に 『堕天剣』を渡さない事だった。

なんでも魔王が振るうべき 最強の一太刀らしい。

しばらくの時を経て…

いよいよ魔王の城だな。

うん。

既に思いっきり侵入してるけど。

ここは通さないクマー!

エンシェントゴーレム Lv89 が現れた!

先制攻撃だクマ!

バシュン!バシュン! 勇者は回避した。

……… ロンズデーライトで充分だな

は?何を言ってるんだクマ?

ルシファーは要らないと言ったんだ

勇者は背に装備した 、、、 二つの剣の片方を取り出し、構える

………!

声も発せず一瞬で ゴーレムの背面に回る勇者

な、何クマ!? 何が起こったんだクマ!!?

せいっ!

クマぁ!!

勇者はゴーレムを一撃で葬った

やれやれ、感心するな

二刀流を使わなくても 充分魔王も倒せるんじゃないか?

勇者はちゃっかり、 ルシファー・エクスカリバーを 自分の武器にしていた。

さらにそれを生かすため、 二刀流まで極めたのだ。

俺にも 魔王の血が流れていたんなら 使えたんだろうけどなぁ…

ッ!また敵だぞ!

こうして魔王の元へと 着実に進んで行った。

ちーっす

魔王さん殺しに来ましたー

よく来たな…勇者!

お前が…魔王か…

悪いが、外野には 引っ込んでいて貰おうか!

なっ、何!?

キャァ!!

マズいっ!!

みんなっ!!

突如地面から突き出した影の柱が 勇者と魔王以外の全員を囲み、 檻へと形状変化した。

さぁ、時は満ちた

邪魔者はいない。 始めようか——勇者!

………倒すッ!!

うらぁぁぁッッ!!!

即座に抜刀したロンズデーライトを 剛毅に振るい上げ立ち向かう——

ガキッッ!! ピシィィィィン!!

なっ、なに!?

HI---HAAAA!!!

俺の『防御力』は貫通できまい!

くっ、 イージスブレイクが作用しないのか

こちらのタァーンだッ!

タルタロス 『暗黒奈落の屍塔』 !!!

魔王の拳から夥しい暗黒が立ち込め 巨塔のように突き出した。

ぐっ!!うぅっ!!

勇者はその場で宙返りし、 新たに剣を引き抜いて 二刀で攻撃をいなした。

殺す……!

スターダストクルセイド 『超恒星屑の十字聖剣』!!

その技はもう知っているぞ!!

甘いっ! デュアルエンハンサー 『二剣二撃二倍強化刃』 !!

右手のロンズデーライトで 繰り出していたスキル 左手のルシファーが加わる。

たかが手数が二倍になっただけで その差は圧倒的に圧巻的だった。

まさにそれは星屑。 時に弧を描き、 十字架を描く星の軌跡。

くっ、俺が…押される…だと!

怒濤の連続攻撃に魔王の体力は その高防御力を持ってしても ジリジリと明らかに減っていく。

その七十四連撃が終わる頃には 体力が半分を超えた。

そんな馬鹿な………

……………それはそれでいい

……?何を企んでいる…

外野。 どうせ死ぬことになるし、 今楽にしてやるよ

なに!?

卑怯だぞ!!

……『堕天剣』が お前側に渡っている今、 これくらいはしてもいいだろう?

や、やめろ!

クックック…… それはお前の態度次第だなぁ…?

た、頼む……

マウスパッドなんて どうでもよくなるくらい、 私は仲間が大切なんだ……

だから………お願い…

やめろ!勇者!! 魔王はお前を殺した後で 俺たちも殺すはずだ!

でも、 彼女は俺に 首を捧げるつもりらしいぞ?

クッッソォォ!!! 魔王!!

津波のように押し寄せる黒い殺意に クロードは突き動かされた。

突き動かされて——— 檻を破った。

そ、そんな! 破壊不可能なはずだぞ!!

せあああぁぁぁッッ!!!!!!

やめろクロードぉ!!

漆黒の刃が瞬時に振りかざされる。

しかし、 刃が魔王に届くことはなかった。

し、シールド魔法……!

終わりだ

………………………

………くろーど?

クロードが 勇者に飛びつく様に抱きついた。 抱きしめた。

お前に出会えて良かった…

……は?な、何言ってんだよ……

じゃあ、な

先刻まで勇者と抱擁を交わしていた       、、、 クロードの上半身がボトリと落ちた

う……うぁ…………

魔王の攻撃によって 身体を上下に裂かれ、 吹き飛ばされたクロードは

魂と血を四散させた。

あ…ぁぁ…く、くろーど……

う………ぁ…く、くろーど……

くろ…ど………

ああぁ……

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!

おいおい、 いつまでも蹲ってんじゃねぇよ

うぐぅ…あぁ……あああ

泣いてんじゃねぇよ

………………

邪魔

魔王は勇者の身体を吹き飛ばした。

ついでとばかりに右腕がもげた

……………

勇者は、 もう声も上げなかった。 声も上げられなかった。

さぁて、 残りの俗物もぶち殺すか……

い、いや……! いやぁ!!

立ってよ勇者ぁ! 僕らを助けてくれよ!!

勇者様ぁ!!

……………………………

叫んでも無駄無駄。 どうせ死ぬんだから

………………………………

立て。 立ち上がれ勇者

クロード……?

違う。 俺は三代目勇者だ

お、おじいちゃん……

立ってみんなを守るんだろう?

ひいおじいちゃん……

お前には……まだ、 やる事があるだろう……

初代…勇者………

いつだって、 どんなピンチでも切り抜けてきた お前だろ?

「こんなのゲームではありきたり」 そう言って、魔王なんて ぶっ飛ばしてみせろよ

全然。 全然お前らしくねぇな

クロード…………

そうだ………

私は 魔王を倒して、 みんなを…………

守るッ!!!

なっ!? なんだ一体!

ゆらゆらと体は立ち上がり、 一歩一歩地面を踏みしめる。

立ち上がっても、 右腕がない 今のお前は雑魚に過ぎない!

その言葉に触発されてか、

右腕が生えていた部位から 数多の刀剣が体を破り突き出し、

瞬時にグニャリと融け、 それがまた瞬時に腕の形を形成した

ば、馬鹿なッ!

瞳を鮮血の色に染め、 ゆっくりと悪魔のように 魔王へ向かう

く、来るなっ! タルタロス!!

暗黒の巨塔も 劔の右腕に弾かれた。

次の刹那—— 右腕を前へと突き出す。

な、何を!

グググと力を込めれば 右手の平から神々しく輝く刀剣が 一太刀。

あれは……エクスカリバーか!!?

エクスカリバーを左手に構え、 一気に駆け出す

や、やめろ……!

来るなッ! 来るんじゃないッ!!

逃げ惑う魔王へ、 無慈悲に左腕を振り下ろした。

あ…がぁ……

ここで……魔王の血族は ……終わるのか…

既に虫の息である魔王の体に 刃を沈めていった。

ゆ、勇者……

勇者様…様子が……

体がはち切れそうだ。

私の中で血が暴れている。

………聞いたことがある…

本来、正義と悪意がぶつかり、 混じり合う場合は『中立』として 成り立つ。

しかし強力な、例えばそう 勇者と魔王のような善悪が ぶつかり合い、混じり合えば…

それは、神になるんだ

じゃ、じゃあ勇者様は……

目の前には 純白の光る階段

一歩、一歩。 登っていく。昇っていく。

汝、神と成りて奉りて、 今此処に何を望む

私は…

私はクロードの救済を願う

生命の復活。

万物流転の逆流転。

それは神にしか許されぬ蛮行

少女は男の為に神成った。

終………

終………………?

まったく…… 馬鹿だなぁお前は

いいんだよ

私がしたくてやったことなんだから

ぐちゃ

ゆ、勇者!? どうしたんだ!

君だけ抜け駆けなんてずるいなぁ

だから、堕とすよ

まったく、 君はいつもいつも

そんなに彼が大事かい?

僕を残しておいてさ

ひどいなぁ…

本当に、ひどいなぁ

予告

心臓を握りつぶされ 三年間生死をさまよう勇者

再び集う勇者一行

新たな謎と敵

神を堕とす者とはなんなのか

終 おわり …………… 終始 へ続く

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Posted at 2013/05/06 20:44 Viewed 7 times

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僕らはいつだって何かと戦っていなくちゃならないんだ。  僕らの敵が途絶える事なんてないんだ……嘘です。 長きに渡る闘い、遂に完結!?

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