好きなモノを選んでいいぞ
わあ、嬉しいな。じゃあまず、一番左のモンスターボールを・・・
ボンッ
ﾌﾞﾌﾞﾌﾞｼﾞｬー
ええー！？ な、なにこいつ！？
おお、そいつはヘンナヤツじゃな。エスパータイプじゃぞ
いやいやいやいや、おかしいでしょ！ ポケモンってこんな奴だったっけ！？
そりゃそうじゃ（某アニメのOP風に）
うう、こんな得体の知れないの、無理だよ・・・別の奴にするよ・・・
そうか？ 残念じゃな。戻れ、ヘンナヤツ！
ﾌﾞﾌﾞﾌﾞｼﾞｬｰ
次はじゃあ、真ん中のを・・・えいっ！
ボンッ
ﾃﾞﾝﾁｭｰﾝ
わああー！？ また変なのだー！
おお、そいつはデンチュウじゃな。でんきタイプじゃぞ
ただの電柱じゃないか！ モンスターですらないよ！
そんなことを言うな。ちゃんとわざはおぼえるぞ
へえ、どんな？
かたくなる ねむる でんじは てっぺき バリアー リフレクター じゃ
ダメージ与えるわざないの！？
デンチュウじゃからな。無理はできんよ
これじゃ、ろくに使えないよ・・・
仕方ないのぉ・・・もどれ、デンチュウ！
ﾃﾞﾝﾁｭｰﾝ
じゃあ、一番右のを・・・どうかマシであって・・・！
ああ、そいつはやめておいた方が・・・
ボンッ
ｸﾏｰ
ああよかった・・・！ やっとまともそうなのが来てくれたよ
あー、そいつは・・・
あ？ うっせーぞじじい。地蔵の分際で俺に話しかけるんじゃねえ
ええ！？ な、何でポケモンが喋って・・・っていうか、口悪いね！？
んなことどうでもいいだろーが。それより、てめえが俺を出したのかよ？
そうじゃ。そこの少年、こやつは・・・
勝手に出てくんなこのクソハゲじじい。てめえはすっこんでろ
ひゃー怖い怖い
え、えっと・・・僕が確かに出したけど・・・君は、ポケモンだよね・・・？
あ？ なんだポケモンって。俺をそんなポケットに入りそうなモンスターの略みたいな名前で呼ぶんじゃねえよ
え、ち、違うの！？ じゃあ、何でモンスターボールの中に・・・？
そこのクソハゲじじいが俺を見つけたとたん、勝手にこん中に押し込みやがったんだ
いやな？ 新種のポケモンかと思ったんじゃよ・・・
そんなこんなで、俺は気づいたらこの中に入れられてたんだ。
えっと、逃げようとは思わなかったの？ 例えばホラ、今とかさ・・・
とっくにしたっつーの。だがそのたびにこのじじいの助手とか言う奴が外に居て、一瞬で俺を捕まえやがるんだ
ワシの部下は優秀でな。狙った獲物は逃がさんのじゃよ
ハゲ散らかせクソじじい
君は、ここから出たいと思ってるの？
あたりめーだ。誰が好きこのんでこんな墓臭い所にいれっかよ
これまた酷いのう・・・
じゃあさ、僕が君を連れて行ってあげようか？
は？
な！？ しょ、正気か少年！？ こんな熊もどきを旅に連れて行くとでも！？
てめえよりマシだろこの地蔵
うん。どうやら、そんなに悪い奴じゃないみたいだし。いや確かに、口は悪いけどさ
生まれつきだから、しょうがねえだろ
うん。僕はそれでも全然構わないからさ。で、どうかな？
へっ、てめえはなかなか骨がありそうだしな。何より、俺にびびらねえニンゲンも珍しいもんだぜ
ワシもびびってなんかおらんぞ
てめえは人外だろうが。・・・しょうがねえ、付き合ってやるよ、ニンゲン
よし。決まりだね。君の名前は？
それは・・・てめえの好きに呼んでくれていいぜ
そう？ じゃあ君はクマゴロウね。よろしく、クマゴロウ
へっ、いっちょ頼むぜマスター
では、クマゴロウを頼んだぞ、少年
てめえは気安く呼ぶんじゃねえ
そうして、ここに少年の旅が始まるのであった・・・
・・・
おやおやー。熊ちゃんったら・・・勝手に私の許可無く出ていくとは酷いですねえ。・・・お仕置きですねー
終わり
