“カードゲームやろうよ! 第01話”

キーンコーンカーンコーン………

じゃあ、授業終了です。 学級委員長。号令を。

起立! 礼!

ありがとうございました!

ふぅ。やっと、授業終わったぁ!

あなた寝ていただけじゃない。

そ、そんなことないよ!

えっと、何だっけ・・・・・・数学・・・・・・

そう! 数学の授業でしょ!

ちゃんと聞いてたよ!

それ、午前中の授業よ。

まぁ、アナタのことなんてどうでもいいけどね。

その代り、またテスト前に私に頼るの止めてよね。

な、なんでよ!

寝てる人に教えているほど私も暇じゃないの。

はっは~ん、私に負けたくないからね。

確かに運動抜群、成績優秀の私に勉強教えてたら、いくら秀才のアナタも私に負けちゃうからね。

………………

ちょ、ちょっと、何か言いなさいよ!

アナタって心底バカね。

さぁ、私は帰って勉強しないとね。

バカって何よ! バカって!

自分のことだって分かるほど優秀なのね。

折角、楽しいこと教えてあげようと思ったのに!

楽しいこと?

気になる?

ならない。

スタスタスタ・・・・・・

ちょ、ちょっと、帰ろうとしないでよ。

私、勉強があるから。

えっ、だって、楽しいことだよ?

興味ないわ。

勉強よりも楽しいよ……グスっ……

あぁ、もう、分かったわよ。

で、何するの?

わーい。さっすが、紫ね。

持つべきものは優しい友達だよね。

もう、そういう恥ずかしいこと言わないでよ。

で、何やるの?

カードゲーム!

さようなら。

スタスタスタ……

あぁ、帰っちゃヤダ!

まったく、何で私がカードゲームなんてやらないとダメなのよ。

楽しいよ!

紫はカードゲーム嫌い?

嫌いも何もやったことがないもの。

じゃあ、やろうよ!

だって、それって男の子がやるゲームでしょ?

私もやってるよ。

ほら、カードゲームって二人でやれるでしょ。

紫と二人で遊べるから私はカードゲームしたいなぁ

分かったわよ。

で、なんて名前のゲームなの?

幻想戯作ってやつ!

何それ?

もっと、有名なゲームがあるんじゃないの?

無名だからいいんだよ。なんか、マニアックな感じするでしょ?

そんなこと求めてないわよ。

いいじゃん、いいじゃん

で、今からそれするの?

うん! なんと、ここにそのデッキがあるのです!

今、あなたのカバンの中それしか入ってなかったように見えたんだけど!

気にしない、気にしない

アナタ学校に何しに来てるのよ。

えへへ

じゃあ、まずデッキの説明からするね。

ちょっと、急にデッキと言われても分からないわよ。

アナタと違って私は初心者なの。ゆっくり教えてくれないと困るわよ。

えーっと、デッキっていうのは、全部で40枚からなるカードの山のことを言うの。

ゲーム上ではアーカイブって呼ばれているの

アーカイブ……書庫のことね。

へぇ~そうなんだ~

アナタそれも知らないでゲームやっていたの?

いいの!

そうじゃなくて、説明!

ここに5つのトライアルデッキがあるの。

ガサガサ……ガサガサ……

こんなに持ってきて、勉強する気ないじゃない

炎属性は種族として軍団をテーマとしたデッキね。

一体一体はすごく弱いんだけど、集まるとすごく強いの。

最終的に一番攻撃力が高くなるのがこの炎属性のデッキね。

へぇ、面白そうね。

で、次が、土属性のトライアルデッキね。

これは武器をメインとしたデッキなの。

武器もあるの?

うん。 アタッチメントカードって言ってキャラクタに装着できるの。

へぇ。

この土属性は人間だけじゃなくて、機械もいてね。 なんと、人間は機械を装着することができるんだよ!

人間とか、機械とか、どういう意味?

キャラクタカードには種別があってね。 炎は天使、土は人間、金は悪魔、水は妖怪、森は妖精と分かれているの。

詳しくはやりながら教えるね。

それで、土属性は、アタッチメントカードを装着することでさらに強くなれるの。

ちょっとコストがかかるけど、一体当たりの平均攻撃力は土が一番高いんだよ!

これは強そうね。

そして、次は金属性のトライアルデッキね。

これは、結構トリッキーなデッキで、上級者向けになるの。

私は無理そうね。

これは慣れてからかな。

この金属性のカードは相手の行動を妨害するのがテーマなの。

妨害!

なんで、そんなに嬉しそうなの……

妨害とか、邪魔とか、いい響きじゃない!

そ、そうなのかなぁ……

でも、上級者向きなんでしょ?

うーん、カードを覚えないとダメだから。少し難しかも。

難しい……あなたにそんなこと言われる日が来るとは思わなかったわ……

私もそんなにバカじゃないもん!

後、残りのやつも教えて。

次は水属性のトライアルデッキね。

これは、一体一体が凄く強いんだけど、その代り必要となるコストが多いの。

それとね。妖怪らしい、変な武器やスキルが多いのも特徴だね。

妖怪らしいねぇ……

うんうん! 特に、変化の能力とか状況を逆転できるくらい強いんだよ!

なるほどね。相手に強いのがいたらそれに変化すればいいものね。

最後が森属性のトライアルデッキね。

これはとにかく数で勝負するデッキね。

数?

そう! カードの強さはどれも最弱なんだけど、いっぱいのカードが出せるの!

強い敵がいても、数で圧倒するデッキなんだよ!

アナタ、森属性を使っているでしょう。

えっ、なんで、分かったの。

それっぽいから。

可愛いところとか?

………………

ちょっと、なんか言ってくれないと恥ずかしいから。

鏡見ようね。

分かったよう。もう……

それで、使ってみたいデッキって決まった?

金属性のデッキ。

えっ、本当に上級者向きだよ!

だって、邪魔とかできるんでしょ?

そ、それはそうだけど。

折角だし、アナタが何もできなくなって涙目になるところも見たいし。

もう、負けた気がする。

楽しみねぇ!

次回予告      初めてのカードショップ!

そこで、出会う強敵たちに紫はどう立ち向かうのか!

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Posted at 2012/09/25 20:21 Viewed 96 times

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幻想戯作をプレイする女の子のお話を作ってみました。第一話はまだ切っ掛けだけなかんじで。>>第02話 http://kimip.net/p/TK9YM

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