“館殺人事件~前編~”

世の中、何が起こるかわからない。

きっかけがちょっとしたことでも、思いもよらない事件へと発展するのだ。

そしてまた一つ、新たな事件が始まろうとしていた。

大きな橋だね!

この橋の向こうなんでしょ?

そうデス! この先に私の別荘があるのデス!

大きいですね!

ここはお嬢様がときどきしか使わないのでみなさんで使っていただけるとこの別荘も勤めを果たせます。

ではみなさん。 中へどうぞ。

はーい。

この時、誰も知るよしもなかった。

この館で起こる、殺人事件のことなど今はまだ。

おおー! シャンデリアカッコイイ!

さすがお金持ちってところだよな。

お一人につき、お部屋が一つあります。

あ、あの。

はい?

私はお姉ちゃんと一緒でいいですか?

相部屋もあるのでいいですよ。

それでは私はお料理の支度をしますので何かありましたら厨房に言いに来てください。

さて! みんなでトランプでもしようデス!

やたー!

また負けた―!

よし! 私が一位だ!

解ちゃん強いね。

ううむ、他の奴で勝負です。

みなさん! そろそろ食事にしませんか?

私も運ぶの手伝いましょうか?

これもメイドの仕事ですので。

お腹減った―!

メシくれー!

すぐに並べますね。

楽しい一日目の食事が終わる。

そしてみんなでお風呂。

落葉香「すごい! 大理石だよ!」

解羅「こら! 騒ぐな!」

正奈「そうだよ。 転んだら危ないよ」

会長「あれ? 眞流山さんは?」

正奈「さっき荷物の整理してから来ると言ってました」

解羅「でも十分に温まったし。そろそろ上がろうか」

ふい~! いいお湯だった!

気持ちよかったね!

湯加減はどうでした?

最高デス! さすが白子さん!

それは何よりです! では私も入りに行ってきますね!

そういえば眞流山は?

私呼んでくるね!

雨、今朝から降ってるね。

そうデスね。

いつ止むんだろう?

明日には止むと思いますよ。

でも天気予報だと明日の昼までずっと雨だって…

ひゃあああああ!

何!? 叫び声!?

お、落葉香さんデス!?

眞流山の部屋からだ!

ドドドドド!

ガチャン!

どうした落葉香!

か、解ちゃん!

眞流山さんが!

眞流山がどうし…

「動かない、まるで屍のようだ」

ま、眞流山!?

し、死んでる!?

そ、そんな!

ん? この白い粉は…

ガチャン!

どうしました!?

白子さん! 眞流山さんが!

彼女が?

・・・。

そ、そんな!? 何故!?

それより早く警察に!

わ、わかりました!

どうしてこんな!?

こ、怖いデス!

とりあえずさっきいた場所に戻ろう。

電話が通じない!?

はい、どうやらケーブルが切断されてるらしく。

ここ携帯も繋がらない山奥だよ。 それが繋がらないということは…

これも犯人の仕業!

い、一体犯人は!?

それはちょっと。

定番では第一発見者が犯人のパターンだが…

ええ!? 私!?

ほ、本当デスか!?

私は無実!

でも一番怪しい…

それを言ったら白子さんだって!

え!? わたしですか!?

私達がお風呂にいる間どこにいたの!?

明日の朝の仕込みを…

待って! 推理しよう!

せ、正奈?

実は眞流山さんの死にはおかしな点がある。

ちょっ、聞きたいけどトイレが先!

会長には後で言うとして…

一つ、どうやって死んだか。

そういえば血が出てなかったな。

そう! つまり眞流山さんは絞殺か毒殺でしか殺せない。

そうなると落葉香が行った場合、絞殺も毒殺もできるけど。

眞流山さんの首には絞めた跡がなかった!

それに絞殺したなら落葉香の手にも跡があるはず。

跡なんてないよ!

それは手袋とかをすればいいけどあの短時間で、しかも眞流山さんに気付かれずに犯行に及ぶのは無理。

あ、ありがとう!

でも毒殺できる要素もある。

だから私は無実!

でもあの部屋には飲み物がなかった。

そうか! 毒殺はできない!

それは白子さんも同じこと!

は、はい。

なるほど、二人はできないと。

そう、つまり。

この館にはもう一人、誰かいる!

おおー! 探偵っぽい!

さっき見つけた白い粉は多分化粧品等の粉でしょうけど。

だから…

あれ? 会長はまだ戻って来ないの?

そういえば…

ひゃああああああ!

あの悲鳴!

お嬢様!

バタン。

「動かない、まるで屍のようだ」

お、お嬢様~!!

正奈! 傷が!

切り裂き傷!

すごく鋭いもので背中を切られてる。

こ、怖いよ~!

私! 今から警察に行ってきます!

白子さん! この外の状態では道が見えませんよ! 朝まで待ちましょう!

みなさんの命を殺人鬼から守るためにも私は頑張って行ってきます!

頑張れ~!

バタン。

ブオ―!

だ、大丈夫だよね?

きっと白子さんなら…

ドゴーン!

ひえ! 何!?

く、車が!

白子さ~ん!

車は雨の中でも強く炎を上げて燃えていた。

とりあえず今日はもう遅いし寝よう。

そうだね。

一人で寝るのが怖い!

一人にしないから大丈夫。

正ちゃん!

みんなで固まって寝ればいいだろう。

三人は身を寄せ合って眠りについた。

次の日。

・・・うん? 朝か。

お姉ちゃん、おはよう。

ああ、おはよう。

ねえ、落葉香見なかった?

見てないぞ。

一体どこに…

うわあああああ!

落葉香の声!?

厨房だ!

「動かない、まるで屍のようだ」

お、落葉香までもが!!

これは、会長と同じ傷跡。

同一犯の仕業!

い、一体誰が!

お姉ちゃん。

ど、どうした?

私、犯人わかった!

な、なに!

果たして! この酷い殺戮事件の犯人は一体!

後編に続く。

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Posted at 2012/09/10 03:23 Viewed 18 times

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ちょっとギャグをやめてシリアスを書いてみたいと思ったので書きました。 さて、いよいよ次はクライマックスです!

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