“陛下留学秘話SP 第8話「3つの博打」”

前回までのあらすじ 陛下が 女に また惚れた 陛下は 運に 身を委ねる

自らの人生を博打と捉えてからは 早かった。まず告白の場所や状況, 時間,何と伝えるか…残り10日も ない今,全てを高速に練り上げる。

告白場所はすぐに思い当たった。 以前行った旧刑務所,ナイトツアー なるものがあった。 まさに告白やデートに最適だ。

"あ~すみません,ナイトツアーに  ついて聞きたいのですが…"

陛下はすぐさま現地へ赴き, ツアーの詳細情報を確認した。 曜日,時間,料金など完璧なほど。

偉大なる母君に, 日本人に惚れたことを打ち明け, 教えを請うのだった。

…というわけなんだが, どう告白すればいいのだろうか…

う~ん,いきなり"好きです" じゃ引くから,まずは "友達からスタートでいいから お付き合いして欲しい"とか?

なるほど。ナイトツアーで言えれば と思うんだが,タイミングは どうしよう

途中で言うと駄目だった時に 気まずいし最後がいいんじゃない?

大変参考になった。感謝申し上げる

少しでも仲良くなれるように健闘を 祈っておくよ

残るは時間だが, あの娘は授業の関係で 水曜午後だけがチャンスだった。 帰国まで2週間,リミットは近い

そうしてあらゆる手段を講じて 何とか戦える状況を作り出し, 後は運だけが勝負どころという 所まで来た。

ここに,3つの博打を考えた。 この博打の目が全て揃うなら陛下は 男になり,どれかが欠ければ オタクに再帰する

まず,1つ目は…

"あの~,今週水曜の夜って何か 予定あります?"

"えぇそうね…私達の娘と食事しよう と思っていたんだけれど… 何かあるの?"

"それが…刑務所ナイトツアー ってのに行ってみたくて… 夜の外出だし,どうかなって"

"それはいいわ! 是非行ってきなさい!なんだったら 駅まで迎えに行ってもいいわよ?"

"ありがとうございます…!"

こうして第1の博打, 「水曜夜の外出許可」 に"表"が出た。

第2の博打,これは極めて舵取りの 難しい賭けであった。

彼女とはクラスメイトだが特に親密 でもなかった。個人的に誘っても 断られそうだったし,クラス全体に 呼びかけることにした。

ってなわけで刑務所ナイトツアー ってのに行こうと思うんですが, 1人じゃ危ないし,よかったら皆 一緒にどうですか?

ホントに?面白そう!!

ええやん!面白そう!!

まぁ,夜の外出ということもあるんで 各自ホストファミリーと相談して 貰えれば… 今夜にでも連絡しますので

今日聞いてみるよ~! あ~でもすっごい面白そう!!

(つかみは完璧,後はあちらの都合か)

もちろんクラスメイトも呼ぶのは リスキーだし, 告白のタイミングも限られる。

だが恋愛音痴にとってこれしか やりようがなく,そこで徳を積み, タイミングを見てあの娘を呼んで サッと告白するつもりだったのだ

だが,この博打は想定以上の結果を もたらす。

うわ,結構みんな行けなさそうだな… 結局俺とあの娘ともう一人の3人…

夜間外出ともあってほとんどは 来れないらしかった。幸いあの娘は 許可を受け,ここで第2博打は"表"が 成立した…だけではなかった

…また一人抜けたか…。 いよいよ二人きり,これじゃ 個人的に誘ったのと変わらん じゃないか…w

まぁこれも博打の一つ, あの娘に行くかどうか聞いてみるか

「二人になったけど,どうする? 俺はせっかくだし行きたい」 「アタシもせっかくだし行きたい!」

・・・嘘だろオイ・・・ デートになっちまったよ…

考えてみれば親族以外で女子と 出かけることは無かった。 恋愛音痴の頭に不安が飛び回る。

だが事実上デートを承諾, 最後の博打もまだ目がある… そう信じて眠りにつくのだった

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Posted at 2016/11/11 23:49 Viewed 23 times

From Author

運以外のあらゆることを塗り潰すのは定石だ。そうして隙間を埋めていって運だけが純粋に残った時 "最高の賭けになるのさ"

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