“陛下留学秘話SP 第9話「天の答え,神の意思」”

前回までのお話 女に惚れた 告白の準備した あとは運しか残らない 事実上のデートになった

運命のデート。 まずはツアーまで時間があるので, ちょっと早めの夕食を取ることに。

うわ,結構デカイな食えるかな…

なんでそんなの頼んだんですか!? 私食べられませんからね…?

相手方もこちらが年が上(同学年) と知ると敬語を使うようになって しまった。 ちょっと距離を感じる…

ん・・・まぁ味はうまいな!

女っ気のない人生を歩んだオタクに とってある意味女性との会話は戦争, 殺し合いだった。 正直,かなり体力を使った。

ねぇ,なんか喋ってくださいよw

あ,いや…う~んこういうの 慣れてなくて…

なんか趣味とかはないんですか?

あ~,まぁギター弾いたり, アニメとか漫画も好きかなぁ

それってワンピースとかですか? 私は読んでないですけど

え,あぁまぁそんな感じかな…

おそらくこの場でヲタバレしたら 博打の前に事が終わっちまう。 多少窮屈だが,想い人と食事が できるなら,とのらりくらり。

そうこうしているうちに, 互いの恋人についての話題に移る。 そういえば,恋人が居るかどうかは 確認していなかった。

まぁ,俺なんかと2人でデートする くらいだしさすがに居ねぇだろ… 今の今までこんなことを聞く機会も なく,聞くまでもないことだった。

そう言えば彼女とか居ないんですか?

ん~まぁ出来ることならほしいけど, 中々難しいね。 …そっちは?

あ,私もういるんで。

陛下の中で時が止まった。 理解の範疇を超えていた。 彼氏がいるのに,なぜ俺と? 俺はなぜこんなやつに?

この間わずか0.5秒, 紳士を貫く陛下はこう切り返す。

あ,そうなんだ。同じ大学?

そうです~,同じ学科なんです。

そっか~。・・・

考えてみればそうだった。 こんな社交的で明るい子なら 彼氏くらい居るだろう。その彼は 日本で首を長くして居るという。

畜生…俺はこんな奴に何を惚気けて… 尻軽女…そう思ったら全ての言動に 怒りと悲しみが込み上がる。 孤高な者の憎しみ,悲しみ…

しかし今さら帰ることは出来ない。 せっかく予約までしたツアーにも 行かず,こんな異国の地に取り残す なんて紳士の恥。

(仕方がない,消化試合だが最後まで 付き合ってやるか…)

失意と共に無益な刑務所探検。 こうなりゃヤケっぱち,本当に デート気分で過ごしたろうじゃねぇの

結構しびれるなぁ 雰囲気も最高に怖いし

なんかお化け屋敷みたいですね~

俺は最後の最後まで,残りわずかな 理性を振り絞って紳士を演じきった。 今思えば今旅最も褒め称えるべき 活躍だ。

今日は誘ってくれて本当に ありがとう! 凄い楽しかったよ!!

いや,いいってことよ… いや~しかし彼氏持ちかぁ~ 残念だなぁ~w

きっといい人が見つかりますよ。 頑張って!

ハハ・・・ (もうこうなりゃ自棄のカンパチ, 本当の最後の博打!)

あの~じゃあついでにワガママ 言わしてもらっていい?

手ェ,繋いでも?

ダメですよぉ~! 彼氏に怒られちゃいますぅ! アハハハめっちゃおもしろ~い!!

ハハハまぁそうだよな 変なこと言ってすまん

こうして女子と手を繋ぐ事もできず, その娘を駅まで見送った。

本当にありがとう~! また明日~~!!

ハハ…ハ…まぁ,そうだよな… …はぁ~あ,帰るか。

その夜は,バスの中で無限に音楽を 聞いていた。 かつて中学の生徒会長に惚れた あのときと同じ曲を。

"ただいま…はぁ…ハハ…"

"陛下,どうした?"

俺ァつたない英語ながら, ありのまま全てを話した。 ホストファミリーの夫妻は黙って 聞いてくれた。

"そう…残念だったわね。 それでナイトツアーに行きたかった のね"

"でもあなたはとっても優しくて 素直でとてもいい子よ。 あなたは私の誇りだわ!"

・・・・・Thank you very much.

もちろん,相談に乗ってくれた 偉大なる肉親は大変に気遣って くれた。

"残念だったけど,彼氏がいるのに 他の男と出かける女はおすすめ しない。本当に彼氏が大事なら他の 男子の誘いは受けない"

"陛下は浮気できるタイプじゃない から,そうされると倍傷つく。 可愛くなくても自分だけ見てくれる 子がいいと思う"

"お母さんは,父ちゃんと 付き合ってる時に何人かに 言い寄られたけど,父ちゃんを 傷つけたくなくて全部断った。"

"陛下を何よりも優先してくれる人が いいと思う。 まぁ,何事も経験が大事だから -end- "

…ありがてぇ… …あったけぇよおっかさんよ…

全てが終わった。賭けも恋も全て。 禁煙など関係ない,今吸いたい。 諦めたような満足したような顔で タバコを加えて火をつけて呟いた

はぁ…神様よ,俺の負けだよ。 でも,楽しかったぜ… 最高の博打だった…

…クッッッサ…

そう言いつつ満足気に煙を吐いた。 郊外の星ってあんなに綺麗に見える もんなんだな。都会的な故郷とは まるで違う世界みたいに感じた

文学的に締めてしまったが いよいよ留学も大詰め, 陛下氏最後の大仕事が開幕!! 最終話,お楽しみに。

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Posted at 2016/11/12 00:28 Viewed 28 times

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果たして運は陛下をどんな人生に転がすというのか,陛下氏はその結果を受け入れられるか…確率の波束は収縮し,運命が確定する。

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