“~自称勇者の冒険~12話目~”

~前回までのあらすじ~

ごめんなさい、忘れました(テヘッ

魔法使い 「テヘッ、じゃないわよ…」

勇者 「ガタッ」

魔法使い 「………」

勇者 「やあ!」

魔法使い 「………誰だっけ?」

勇者 「俺だよ、オレオレ!! 俺勇者!!」

魔法使い 「………」

勇者 「前回のあらすじだろ! オーケー、俺が説明してやろう!」

勇者 「前回カキン神殿を攻略した俺は、 仲間達と共に魔王城を目指して 旅を続けていた!!」

勇者 「しかし次の町に続いているという 迷宮で迷ってしまって、 このザマというわけだよ!」

魔法使い 「でも迷ったのは、あなたのせい でもあるけれどね……」

勇者 「…それからほぼ1カ月半!! 俺達はこうして迷宮を彷徨っているというわけさ!HAHAHA!」

魔法使い 「駄目ね、この勇者…… 早くなんとかしないと……」

賢者 「手遅れじゃないですか~?」

魔法使い 「……酷い事をさらっと言うわね」

賢者 「あはは~」

勇者 「とにかくっ……! この状況をどうにかしないと!! やばいだろっ…!!」

勇者 「よし!」

魔法使い 「……何かいい案があるの?」

勇者 「それは無いっ!!」

魔法使い 「………」

勇者 「進むしかないだろ…… 常識的に考えて……!!」

魔法使い 「………」

??? 「チラッ」

勇者 「あ、今なんか人がいたような気がする……!!」

勇者 「おーい…!! そこの人、待って下さーい!!」

魔法使い 「あ、ちょっと!!」

賢者 「うふふ~」

………

……

??? 「………」

勇者 「あのー…すみません。 ちょっと道を聞きたいんですが…」

??? 「…出口ならこの道を真っ直ぐ 行った所よ」

勇者 「え…そうなんですか!? ありがとうございます! これでやっと魔王城に行けます!」

??? 「ふ~ん…君、魔王城に行くんだ? あんな場所に何の用?」

勇者 「もちろん魔王を倒しに!」

??? 「ふ~ん…魔王を倒しに行くんだ」

??? 「…じゃあアタシの敵ってわけだ」

勇者 「えっ」

??? 「その命…頂くよっ、勇者!!」

勇者 「う…うわぁぁあああああっ!!」

魔法使い 「ティロ・ナントカ!!」

ズドォオオオオオオオン……!!

??? 「くっ…邪魔が入ったか…!」

魔法使い 「大丈夫!?勇者!」

勇者 「え…ああ…うん……」

魔法使い 「……で、アナタは一体何者? いきなり斬りかかるなんて、 どういうつもりなのかしら?」

??? 「別に名乗る程の者じゃないわ」

??? 「ただ…その勇者を魔王城に 行かせるわけにはいかないって だけの話よ……」

魔法使い 「アナタ……暗殺者ね」

暗殺者 「………」

魔法使い 「一体どういうつもりよ! 誰の命令で勇者の暗殺なんか…」

暗殺者 「そんな事どうでも良いじゃない」

暗殺者 「私に与えられた任務は “勇者の暗殺”」

暗殺者 「そしてその仲間達全員も……」

暗殺者 「その存在ごと全てを消すことよ」

魔法使い 「なん…ですって……?」

暗殺者 「かつて…この世界には “アスタリスク”と呼ばれる勇者がいたのよ」

魔法使い 「え……?」

暗殺者 「しかし勇者アスタリスクは この世界を破壊する脅威となってしまって…」

暗殺者 「その存在を“無かった事”に されたのよ」

暗殺者 「ある“誰か”によって、ね…」

暗殺者 「だからこの世界には その勇者が勇者だったという記録も存在も何もかも存在しないのよ」

魔法使い 「その話と勇者と… 一体何の関係があるのよ!!」

暗殺者 「……まだ分からない?」

暗殺者 「このまま進めば、あなた達は 魔王を倒すでしょう?」

暗殺者 「そうなると、この世界は 終わってしまうのよ……」

暗殺者 「だから、魔王様を倒させるわけにはいかないの」

魔法使い 「言ってる意味が分からないわ! とにかくアナタを倒せば良いんでしょ!!」

暗殺者 「一つ聞くわ……。 ここで冒険をやめてくれない?」

暗殺者 「そうすれば、 この世界は永久に続く事が出来る。 君達も消滅しないで済むのよ」

暗殺者 「冒険を途中で止めれば… そこから進む事も戻る事も無い…。 世界はずっと残り続けるのよ?」

魔法使い 「断るわ!! 私達は魔王を倒すまで冒険をやめるわけにはいかないのよ!!」

暗殺者 「……そう、じゃあ仕方ないわね」

暗殺者 「一瞬で終わらせてあげ…」

賢者 「そぉい!!」

賢者の拳が暗殺者を襲う!!

暗殺者 「おおっと……」

賢者 「ちっ……外しましたか…!」

暗殺者 「まさか伏兵がいたとはね…!」

賢者 「あはは~、30ページ辺りから ずっといましたけどね~……」

暗殺者 「……君、ただものじゃないね。 ただの天然な賢者のフリをしてるけど…何でかな?」

賢者 「うふふ~、何の事でしょう? 私はただの賢者ですよ~?」

暗殺者 「…ここは分が悪い、かな。 さすがに君みたいなやつを相手にする程、私は愚かじゃないんでね」

暗殺者 「でも次は…無いよ。 君達が魔王城に来ると言うなら、 私は全力で君達を始末するからね」

賢者 「うふふ……。 じゃあ私も本気で行きますよ?」

暗殺者 「出来れば君とは戦いたくないね」

暗殺者 「じゃ…さらばっ!!」

…ッ、ターーーン!!

賢者 「………」

魔法使い 「はぁ…一体何だったの…」

魔法使い 「まさか勇者が暗殺されかけるなんて…思ってもみなかったわ」

勇者 「暗殺されそうになる程、 有名になっちゃったって事かー。 流石俺!俺勇者!!」

魔法使い 「アンタねえ……」

勇者 「とにかく出口はこの奥だ! 色々あったけどさっさと出よう!」

魔法使い 「………はぁ」

………

……

つづく……。

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Posted at 2012/09/29 18:44 Viewed 20 times

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やあ。

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