“~自称勇者の冒険~13話目~”

~前回のあらすじ~

俺だよオレオレ!俺勇者!

1ヶ月半ぐらいダンジョンを彷徨い続けていた俺と仲間達は、

謎の暗殺者に襲われるが、 賢者の右ストレートに助けられ、 なんとかピンチを切り抜けた!!

暗殺者が言ってた事が気になるが、 俺は魔王を倒さなきゃいかんのだ!

待ってろ、魔王!

………

……

勇者達が魔王城に向かっているのと ほぼ同じ時刻……。

ここは魔王城。 この世界を支配しようとする魔王が 自室でグダグダ待っている場所。

そして、その城内にある魔王の間。

魔王? 『全く…期待外れウサ。 勇者程度に手こずるとはな…ウサ」

暗殺者 「……申し訳ありません」

魔王? 『ウサ……』

魔王? 『やがて奴らはここに来る。 その時こそ…確実に仕留めるのだ』

魔王? 『奴らにエンディングを迎えさせてはならぬ…それが貴様の役目ウサ』

暗殺者 『……はい』

魔王? 『ウササ…貴様には期待しておるのだ…。そうでなければ、わざわざ 地獄から蘇らせはせぬ』

魔王? 『のう…かつてこの世界に存在し、 存在を消された“魔剣士”よ……』

暗殺者 「………」

魔王? 『ウッサッサ……。 分かっておるな? どんな手を使ってでも奴らを…』

暗殺者 「……ええ、分かっているわ。 その代わり…あの約束は守って」

魔王? 『ああ…あの約束ウサか…』

魔王? 『確か…貴様の“存在を消された王国”を貴様と同じように復活させる事…ウサな』

魔王? 『もちろん…約束は守るウサよ。 勇者を始末すれば…すぐにでも 元に戻してやるウサ』

暗殺者 「……分かった。 それじゃあ…行ってくるわ」

………

……

魔王? 『さて…こちらも準備をしておくウサ……』

………

……

勇者 「ここが……最果ての村か!!」

勇者 「そしてあれが…魔王城!!」

勇者 「それじゃ早速… 魔王城にレッツゴー!」

魔法使い 「ちょっと待ちなさい!」

魔法使い 「まずはこの村の住人に魔王の事を聞いてからの方が良いと思うわよ!」

魔法使い 「魔王がどんな奴か分かったもんじゃないんだから、少しでも情報を集めないと…!」

勇者 「……そうだな。 そうしよう……」

勇者 「それじゃ、あそこにいる人に 聞いてみようか!」

勇者 「あのー!すみませ~ん!」

魔法使い 「あ、ちょっと!」

勇者 「すみません! ちょっと今よろしいですかね?」

少女 「え?私ですか?」

勇者 「ちょっと…話聞かせてもらっても良いですかね?」

少女 「え……ま、まさか……」

勇者 「そう…そのまさかです!」

少女 「職務質問ですかっ!?」

勇者 「……は?」

少女 「ニンジンは…ニンジンは持ってませんからっ!!」

勇者 「いや…聞きたいのはそういう事じゃなくて…魔王の事なんですが…」

少女 「え…ええっ!? 魔王様の事についてですかっ!?」

少女 「ま、魔王様に何のご用ですか?」

勇者 「魔王を…倒しに来ました(キリッ」

少女 「ま…魔王様を倒す……!?」

少女 「えっ…、という事は 魔王様に支配されたこの村を 貴方が解放して下さるんですか?」

勇者 「ま、そういう事ですかね…」

少女 「わ、分かりました! じゃあ魔王について何もかも喋ります!!」

少女 「この村を支配している魔王は、 “兎王”というのです……」

少女 「兎王は私達に朝昼晩ニンジンを作らせ…この村からニンジン以外の食べ物を奪いました…」

少女 「おかげでこの村ではニンジン以外のものは食べられないのです…」

少女 「私達…本音を言うと、もうニンジン三昧の生活はもう嫌なんです!」

少女 「それと魔王は私達にニンジンを作らせる事を命じたのですが…」

少女 「命令に逆らった人達は、皆、謎の力で消されてしまいました…」

少女 「お願いです、勇者様! どうか魔王を倒して私達を救って下さい!!」

勇者 「……分かった! 必ずこの俺が魔王を倒そう」

少女 「本当ですか!?信じて良いんですね!?信じますよ!信じますからね!!」

勇者 「ああ……! 分かった、待っていろ…!!」

少女 「それじゃ、私行きますね!」

少女は立ち去った……。

勇者 「ふっふっふ……。 またフラグを立ててしまった…」

魔法使い 「そんなフラグはないわよ」

勇者 「ですよねー…。 俺のフラグは賢者さんに……」

魔法使い 「あるわけないでしょう」

勇者 「えっ」

魔法使い 「えっ」

勇者 「と…とにかく…。 魔王の情報を手に入れたぜ…」

魔法使い 「知ってる」

勇者 「ああ…そう…」

勇者 「…さて、魔王城に行くか?」

魔法使い 「…………」

勇者 「じゃあ先に行ってるから!」

勇者は走って行った…。

魔法使い 「…………」

賢者 「……どうかしましたか?」

魔法使い 「……いたの」

賢者 「いましたよー…。 ずっと画面の外にいましたよ…」

魔法使い 「ご、ごめん!賢者……」

賢者 「…まあ良いでしょう。 私達は勇者様についていく…。 ただそれだけです」

賢者 「たとえ勇者様が勇者様でなくても 私は勇者様についていきますよ。 最後まで…ね」

魔法使い 「勇者が勇者じゃない……? 賢者、あなた何を知ってるの…?」

賢者 「…さあ?」

魔法使い 「さあ…って……」

賢者 「だから……ね?」

魔法使い 「……分かってるわよ。 私だって勇者についていくわ。 最後まで、ね」

賢者 「うふふ~、 それじゃあ行きましょうかっ」

魔法使い 「……ええ」

賢者 「………」

賢者 「さて……あと少し、ですね…」

賢者 「……何が?」

賢者 「何でもありませんよっ。 さ、行きましょうかっ!」

………

……

つづく……。

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Posted at 2012/10/01 00:35 Viewed 13 times

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ペロッ…これは伏線っ…!

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