“カードゲームやろうよ! 第03話”

………………

勝てない……

何が悪いんだろう……

ゲームシステムに欠陥でもあるんじゃないの?

………………

まぁ、アカネは楽しそうだからね。

私はこのままでもいいか……

うん、もう寝よう……

おやすみなさーい

………………

………

あぁぁぁぁ、悔しいいい!!!

そして、その週の日曜日……

………………

今日はカードゲームをやるだけよ……

ピンポーン......

はーい!

ドタドタドタ...…

あっ、紫ちゃん。

どうしたの?

今日、暇……よね

うん♪

カードゲームしたいんでしょ?

えっ?

せっかく、休みだし、遊ぼうかなと。

いいの!? 勉強は?

た、たまには気分晴らしも必要よ!

ほら、やるんでしょ?

うん♪

じゃあ、入って♪

紫ちゃんがこの部屋に来るのって久しぶりだよね。

そうね。

昔を思い出すなぁ~

あっ、お茶持ってくるから少し待っていてね。

いいよ、気にしないで。

いいから。いいから。

本当に気にしなくてよかったのに……

………………

でも、本当に久しぶり……

キョロキョロ

あのクマのぬいぐるみ。まだ持ってたんだ……

小学生の頃の鉛筆も持っているし……

本当に懐かしい……

昔はこのベッドで二人よく寝たなぁ。

ベッドに手を触れると、アカネが寝転がっていたのだろうか。

そこだけ僅かに温かく感じた。

………………

お茶だよ~

ッ!!

どうしたの?

ううん、何でもない!

そ、それより、私が来なかったら今日は何するつもりだったの?

はい、お茶どうぞ。

何って、今日一日?

えぇ。

ん~、紫ちゃんが来なかったら。散歩かな。

散歩?

うん。私、散歩好きだし。ここら辺ずーっと歩くの。

変わった趣味ね。

昔はよく二人で歩き回ってたじゃん。

………………

あ~

あれはキツかった。本当にしんどかったわ。

そうかな?

アナタ、運動だけは得意だもんね。

運動だけじゃないやい

嘘おっしゃい。

本当だって!

昔に、ほら!

………………

そうよね。

まぁ、いいわ。そんなことより、カードゲームするんでしょ?

そんなことって……

ほら、さっさと用意する!

うん♪

じゃあ、私のターンね。

「トウオウロの妖精」に――

「エペタム」を装着!

それから……

「花に隠れた捕食者」に――

「カプカプ大樹林の鎧」を装着!

キープ!

「盛大なる禁止令」で、「カプカプ大樹林の鎧」を妨害!

うわわわ

それは墓地ね。

予想外だ

「花に隠れた捕食者」は必ず攻撃意思を示さなくちゃならないから。攻撃するね。

「金に宿る岩妖精」が守備意思を示すわ。

相打ちね。

うー!

さらに、「金に宿る岩妖精」が墓地に行くと、私は1シン得られるわ。

あ、あれ、不味いかも……

私のターンね。

「旧国ブラド侯爵」を配置!

そして、もう一枚「弄られデュラハンのミララコ」を配置!

既に配置してある「呪われデュラハンのキリリコ」は攻撃意思を示すわ。

「エペタム」を装備した「トウオウロの妖精」が守備意思を示すね。

これで、相打ち。

私のターンは終了ね。

私のターン……

うーん……

エイドカードの「来たれ!集結の時!」使用。

二枚引くね。

一枚………二枚……

「花に隠れた捕食者」が攻撃意思を示すね。

(さて……これを防御すべきかすべきでないかが分かれ道ね……)

(本当なら「弄られデュラハンのミララコ」に「バルムンク」を装着して)

(――大量ダメージを一度で狙いたいところだけど)

(――その後、捕食者を止めることができなかったらじり貧よね)

(――相打ちで死んで、ブラド侯爵でライフを回復して)

(――様子見が正解かな)

「弄られデュラハンのミララコ」が守備意思を示します。

キープ!

えっ? 割り込み?

エイドカードの「カプカプ森の植物異常繁殖」を使用!

持ってたのね!

でも、それ一枚だけじゃ、何も変わらないわよ。

ふふ~ん。

もう一枚!

に、二枚!

これで「弄られデュラハンのミララコ」は破壊だね!

う、ううぅ……

さぁ、どうする?

捕食者の攻撃をブロックする? それともライフダメージにする?

(ここでブラド侯爵が破壊されちゃうと、これ以上戦えるカードがない)

(――そもそも、金属性は全体的に攻撃力が低いからここでお互いのライフを攻撃しあったら)

(――確実に私の方が先に死ぬ)

(――かといって受けたら、二人とも場にキャラクタがいなくなる)

(――低コストでどんどん湧く森属性デッキにそれはあまりにも不利な状況だ)

(――あっという間に、大量の妖精に攻め込まれてしまう……)

うっ、ううぅ……

私の負けです。

あらら。

いいの?

まぁ、どれだけ考えても勝つことができなかったからね。

さすが、紫ちゃんだよね。頭いいよ。

私、バカだから、やってみないと分からないんだよね。

このゲームはコストが配給制だからね。実質三手先以上のことはお互い読み合える気がするの。

三手先も!!!

凄すぎるよ!

で、無理そうだった。

さっすが、頭いいよね。

じゃあ、もう一戦ね。

いいわよ。

じゃあ、宜しくね。

うん♪

次回予告      次こそ初めての勝利!?

次回予告が全く役に立ってない! 次はショップで色々な人と出会うよ!

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Posted at 2012/09/28 22:31 Viewed 33 times

From Author

ルールや世界観よりも女の子がきゃっきゃとカードゲームをする様を描く方がいいのかなと考えています。<<第02話 http://kimip.net/p/TK9YM ・ >>第04話 http://kimip.net/p/eLfL2

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