“自称勇者の冒険~6話目~”

~前回までのあらすじ~

薬草を忘れ、毒の沼で倒れていた 俺勇者は通りすがりの魔法使いと 可愛い賢者に助けられたッ!

炎の山に放りこむと脅され…… てないです、炎はやめてッ! なんやかんやで俺勇者は 魔法使いの仕事を手伝う事に!

そして俺達は、 なんやかんやで ダンジョンの入口へとやって来た!

番人 「修羅の世界へようこそ!」

勇者 「ええー……」

番人 「またの名を  不思議なんじゃねダンジョン!」

番人 「私が案内役の番人だよッ!  よろしくッ!!」

魔法使い 「ここが……  不思議なんじゃねダンジョン…」

賢者 「ここの最下層に……  お宝があるんですね~?」

番人 「おっと、あなた達も  アレを取りに来たのかい?」

魔法使い 「ええ……もちろんよ」

番人 「それじゃあ一応名前を  聞いておこうかなッ!  名乗れよッ!」

勇者 「クックック……  俺こそは勇者……だっ!」

魔法使い 「……魔法使いよ」

賢者 「賢者です~」

番人 「勇者に魔法使いに賢者か…ッ!」

番人 「駄目だ。全然駄目だ!!  ダンジョン的には  初心者レベルだッ!」

勇者 「えっ」

番人 「ここをただのダンジョンだと  思ったら大間違いよッ!!」

番人 「ここは、  不思議なんじゃねダンジョン!」

番人 「一歩間違えば…  何もかも失う禁断の地ッ!!」

番人 「勇者?魔法使い?賢者?  そんな事はどうでも良いッ!!」

番人 「このダンジョンではッ!  生き残る事が重要ッ!  必須ッ!不可欠ッ!!」

番人 「フォウッ!」

魔法使い (今のフォウッ!は  必要なのかしら……)

番人 「教会に戻されて所持金が半分に  なるだけだと思ったら  それは大間違いッ!!」

番人 「このダンジョンでは  レベルも所持金もアイテムもッ!  武器も防具も装飾品もッ!!」

番人 「全滅したら全て失うッ!!」

番人 「つまりッ…!  ここで生き残る事が出来るのは、  ほんの一握りの勇士のみッ!」

番人 「ある者は……  何これ無理ゲー!と叫び  この世界から立ち去っていく…」

番人 「ある者は…全てを失った瞬間に  クリアする事を諦める!!」

番人 「またある者は…  二度とプレイする事は無いッ!」

番人 「故に…何度全てを失っても  耐え続ける事の出来る忍耐力が  無ければッ……フォゥッ!」

番人 「この世界で生き残る事は……  不可能ッ!無理ッ!出来んッ!」

番人 「お前にその覚悟はあるのかッ!  フォゥッ、勇者よッ!!」

番人 「何もかも失う覚悟が  君にはあるかいッ!?」

勇者 「俺は……あるッ!!」

番人 「ほほう…ッ!  ならば聞かせてもらおうかッ!」

勇者 「何故なら俺は……  勇者だからなッ!フォゥッ!」

魔法使い (結局それ……)

賢者 (でも勇者さんらしいですよね)

番人 「フォフォウ……勇者だからかッ。  面白い…面白いぞ少年ッ!!」

勇者 「……ですよねッ!」

番人 「だが君には一つだけ……  言っておかなきゃならないッ!」

番人 「このダンジョンでは  どんな行動をすれば良いか  君は分かるかッ!」

勇者 「死なない事さ……!」

番人 「そう、死なない事だッ!」

賢者 「うふふ~、  回復なら任せて下さいね~」

番人 「だが、そう言うのは簡単だッ!」

番人 「例えばどんなに全滅しないように  行動しても……ッ!!」

番人 「何回もダンジョンをクリアした  事のある経験者でもッ!!」

番人 「どんなにやり込んだ  プレイヤーでもッ!!」

番人 「ふとした油断から  全てを失っちゃうのデス!!」

番人 「そう、この私のようにッ!」

魔法使い 「……はあ?」

番人 「いや、つい最近……  せっかく武器防具を+99まで  鍛え上げてここに挑んだら…」

番人 「最下層で眠り攻撃+呪文封じで  私は全てを失った!」

番人 「そう、それが今  君達の目の前にいる私の現実!」

番人 「で、どうするッ!?  それでもダンジョンに  挑戦するかッ?」

魔法使い 「もちろんよ。  その為に私達はここに来たもの」

番人 「この命知らずめッ!  ではせめて…これを持っていけ」

勇者達はパンを一つずつ貰った。

勇者 「……これは?」

番人 「見ての通りパンだッ!  ここではそれが命綱になるッ!  絶対に無くすなよッ!」

番人 「さあ、行くなら行けッ!  地獄の門が口を開けて…  お前達が来るのを待っている!」

魔法使い 「それじゃ…行きましょう」

勇者 「や、やっぱりやめません?  レベルが1になるのも  所持金が0になるのも……」

勇者 「俺にとっては色々と…  その…アレなので……」

魔法使い 「えっ……。  マグマに放り込まれたいの?  良いわよ…勇者様ならっ!」

勇者 「さあ、行こうか!!  未知なる世界へ!!  フォッ!フォゥッ!!」

魔法使い (こいつ……)

魔法使い 「まあ良いわ……  行きましょう」

賢者 「は~い!」

……

番人 「あ、言い忘れたけど  ダンジョンの中はトラップが  そこら中に…っていないかッ!」

番人 「ま、それも経験だッ!  しっかり足掻けよなッ!」

番人 「フォオオオオオオオゥッ!!」

つづく……。

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Posted at 2012/07/15 15:30 Viewed 25 times

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大体何でも…フォゥッ!

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