『【8月第二週】夏の思い出』

あー、田舎って本当にやる事無いよなー。お盆の帰省って言われても、お墓参り終わっちゃったらさ。大人達は昼からでも酒盛りしてるからいいんだろうけど

ちょっとぉー、何やってんの?

何って、暇だから散歩……って君、誰?

私? 私はね、ちーちゃんって呼んでよ

ここら辺の子なの?

うん。馬に乗って、ちょっと向こうからね

馬なんているの?

うん。割りと一般的よ?

そ、そうなんだ

ん? どうかした?

いや、その……。か、可愛いなって

え? 私? もう、やだー。でもありがとう

や、ご、ごめん! 変なこと言って……

でも私、好きな人居るから……ごめんね

あ、あはは……そうだよね

もう、そんなに暗くならないでよ。よく見れば、結構格好良いんだから

いいよ、そんなお世辞

……よく見ると、目とかあの人そっくりだし……

え? 何か言った?

ううん、何でもない。それよりも、私と遊ぼうよ! ほら、ここら辺とか案内してあげる

え、ちょっと……

それから、ちーちゃんと色んな所で遊んだ。山に行って、川に行って、都会暮らしの僕が知らないような遊びをした。

ちーちゃんは、僕とは違いすごく活発的で、優しくて、可愛い子だった。

あ、もう夕方かー。私、そろそろ帰らないと

もう帰っちゃうの?

うん、迎えの牛が来る頃だから

ま、また会えるかな?

また来年、ちゃんと来てくれたら会えるよ。それじゃあね

――

こんばんは

あ、隣のおばあさん

ほら、スイカ持ってきたから、一緒に食べようと思ってね。ちーちゃんも、きっと来てるだろうし

ちーちゃん?

千代ちゃんだよ。あんたのおばあちゃん

それからスイカを食べながらちーちゃん――おばあちゃんの話を色々ときいた。

活発でいつも走り回ってて、困った人がいると助けずにはいられない人だったらしい。

縁側のナスの牛を見ながら、来年もお墓参りに来ようと思った。

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公開日 2013/08/09 02:43 再生回数 9

作者からのコメント

おばあちゃんに萌えるSS。この作品の属性は? ジャンルは? おばあちゃん萌えです! って時代がいつの日か来ることを信じて、時代先取り。  お題 お墓参り

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