恋人が出来た？
うんっ
……そりゃ良かったねとしか 私は言い様が無いんだけど
そこはもっと乗ってきてよ涼ちゃん…
何故悲しくて他人の恋愛事情に 興味を持たないといけないのか。 自慢か？
いや、別に自慢をする訳じゃ 無いんだってば、相談があるの
相談、ねえ。 私付き合ってる人とかいないし 参考にならないんじゃない？
こんな相談出来るの涼ちゃん位だけ なんだよ…聞いてくれないかなあ
……ま、聞いてやるか。 由紀は私以外に友達いないもんな
いや友達は他にいるよ！？
いいから早く話しなさいよ。 帰りたいんだから
釈然としない……
まあいいや、相談内容なんだけどね
うん
うんとね
うん
相手がね
うん
女の子なんだよね
うん……
うん！？
ちょ、今予想外のセリフ聞こえた、 念のためもう一回言って
相手が女の子なの
へぇ……
……やっぱり、変かな
……正直に言うとびっくりした
私もね、おかしいかなって 思っちゃってさ…… やっぱり女の子同士なんて
待て待て、私は一言もおかしい なんて言ってないぞ？
え？
愛の形は人それぞれだ。 相手が男だろうと女だろうと 好きになったという事実を 他人が否定する事は出来ないと思う
例えば私はオムライスが好きだが……
それに関して、由紀がダメだって 言う権利があるかって事だ
涼ちゃんオムライスと添い遂げるの？
物の例えだ。何が言いたいかと言うと 私は別におかしいとは全く 思わないってこと
……
なるほど、ありがとう。 ちょっと勇気出た。
とは言え、これは私の意見であって、 世間の目は意外と冷たいわけで
んーん、大丈夫！味方がいるの 分かったし……また悩みすぎて どうにかなっちゃったら また相談するから！
あ、あんまりアテにされるのも 困るんだけどな……由紀みたいな ケース実際に聞いたの初めてだし……
ま、同性結婚出来る国もあるしね！
……
ん？どうかした？
いや……割とマジな恋愛なんだなあと
ほんとにね、私もまさか 彼女を作るとは思ってなかったし！
ま、頑張れ。 私は応援してるからさ
うん、ありがとう！
じゃあ、帰ろうか？
ああ、その前に
ん？
受け取れ
わ、ちょ
……なにこれ、飴？
泣く子も黙る飴ちゃんだ
なんでまた急に
いや……明後日ハロウィンだし 彼女さんにあげたらどうかなと。 どうせ由紀何も準備してなさそうだし
あ……そういえば
せいぜいイタズラされないように 頑張ってくれたまえ
……涼ちゃんありがとう！
よし、涼ちゃんの相談所閉店。 帰るぞ
うんっ！
それじゃあね、涼ちゃん。 今日はありがと
ん、頑張れよ
……ん、携帯鳴ってる
[着信] 美沙 090-****-****
随分懐かしい奴から電話だな……
もしもーし
……うん。 久しぶりだな。中学以来か？
……相談？なんでまた私に
は？恋人が出来たけど同性？
…………ああ、うん。聴こえてる。 大丈夫
これって……いや、何も言うまい……
独り言だ。気にするな。 …………ちょっと美沙。 今から言う事をよーく聞け
明後日ハロウィンだろ？ だからさ────
二日後。
……まだかしら
ギリセーッフ！
15分遅れよ？由紀？
ご、ごめん美沙ちゃん…… 言い訳はしないよ
いつものことだし怒ってないわよ。 さ、行きましょ？
うん！
そういえばさー
うん？
今日はハロウィンねぇ
