シドが溜息をついてナニやらふさぎ込んでいます・・・。
どうしたの?背景真っ黒じゃない。 ちょっとつけてイイかしら?
いいけど・・・。
わあ!トイレじゃない?! なにこれ!
ふさぎ込んでるから、ちょっと意外性を狙って気分を変えてアゲようと思ったのよ。
トイレはやめてよ。
じゃあ戻すわ。
四畳半部屋・・・。まあいいけど。
気分にちょうどイイ感じでしょ。で、どうしたのよ。
いや、今年もバレンタインのチョコ、もらえなかったなぁと思って。
毎年の事じゃないの。
あまり外にも出かけないし、女の子の友達も少ないじゃない。だったら仕方のない事ね。
キミがくれてもいいじゃない?
なんで。
いや・・・ほら・・・。行事行事ってミースは割と行事好きでしょ。だったらバレンタインもやるべきだったんじゃないかと。
ぎくっ!やな予感?
考えたこともなかったわ。
え、あ、そう・・・。
キッチンで、ミースが山盛りのチョコレートを前に何かしています。
エポエポリブポケ エポエポリブポケ・・・・・・
ちょっとミースなにしてんの?変な呪文唱えて・・・呪われそうなんだけど。
今日の晩ご飯はチョコレートフォンデュよ。
えっ、それって魔女鍋じゃないの?
アンタが不憫だから「チョコフォンデュ」作ってあげてるのよ。遅ればせ、だけど。
えっ!ええーーーーーーーーーっ! ホントにミース?本当に???
他意はないけど。
ありがとうミース!うれしいよ! すっごく嬉しい!むしろ他意がない方が嬉しい!!!
そう、引っかかるけど・・・よかったわ。
でも、そんなに大量のチョコ、買ってきたにしちゃ種類バラバラだね。
当然でしょ。私がバレンタインにもらったチョコだもの。たべきれないのよ。賞味期限もあるし。
えっ?
・・・ミースがもらったチョコ?女の子なのに?
まあね。人徳ってヤツかしら。
ふーん・・・(人徳・・・っていうより、賄賂的な何かじゃないのかな・・・)
私がもらった、私のために選ばれたチョコ達をお裾分けしてあげるんだから、ありがたくいただきなさい。
なんか一気に切なくなってきた・・・。
さっきよりも切なさに拍車の掛かったシドでしたとさ。