“魔法少女、辞めました。 #03”

前回までのあらすじ!

魔法少女として戦っていたマホは、 ある日突然魔法少女を辞める事を決意する。

魔法少女仲間であるモモの制止を振り切って、あっさりと魔法少女を辞めてしまったのであった!!

………

……

一年後……。

ヌコー 「ふー……やっと帰って来れたか」

ヌコー 「私がいない間にずいぶんとこの町も変わったものだな……」

ヌコー 「さて…みんな心配してるはずだ。 本部に戻ろう」

………

……

~魔法少女派遣機関本部~

ヌコー 「………おかしいな。 本部はここで合ってるはずだが」

ヌコー 「ん…?ん…?ちょっと待て」

ヌコー 「本部があった場所にコンビニが建ってるんだけどどういう事?」

ヌコー 「待て待て待て…慌てるな。 きっとこれはフェイクだ」

ヌコー 「カモフラージュ的なアレだろう」

ヌコー 「きっと中に入れば本部があるはずなんだ…そうに違いない」

ヌコー 「たった一年いなかったからといって、私の本部が無くなるはずない」

ヌコー 「よし、それじゃあ行くか」

ヌコー 「冷静に…冷静に行こう!」

ウィーン……ガチャッ

ヌコー 「お…おおお…!!」

ヌコー 「これが…新しくなった本部か!」

ヌコー 「素晴らしい…素晴らしいぞ!」

ヌコー 「これなら悪の組織とも対等に戦えるはずだ……!凄いぞ、本部!」

ヌコー 「そういや人の姿が見えないな…。 誰か!誰かいないか!」

ハカセ 「いらっしゃいませ」

ヌコー 「おお!ハカセじゃないか! 久しぶりだな、元気だったか!?」

ハカセ 「………?」

ヌコー 「ほら、私だよ私。ヌコーだよ」

ハカセ 「ヌコー……?」

ハカセ 「あの…失礼ですけど、どなたかと勘違いされていませんか?」

ヌコー 「えっ」

ハカセ 「私…あなたの名前に覚えが無いんですよ。人違いじゃないんですか?」

ヌコー 「な…何を言ってるんだ、ハカセ。 一年いなかったからってそんな…」

ヌコー 「私は私だよ…魔法少女派遣機関本部のヌコーだよ」

ヌコー 「そしてここは魔法少女派遣機関本部のはずだ……そうだろ、ハカセ」

ハカセ 「はぁ…確かにここは魔法少女派遣機関本部ですが」

ハカセ 「あなたのような方は知りませんね」

ハカセ 「私、組織のメンバーは全員覚えてるんですよ」

ハカセ 「あなたが何故組織の事を知っているのか分かりませんけど……」

ハカセ 「とりあえずあなたはうちの組織のメンバーにはいなかったはずです」

ヌコー 「なっ……そ、そんなはずはない。 私は組織のリーダーのはずだ!」

ヌコー 「…そ、そうか!これはドッキリなんだろう!そうだと言ってくれ!」

ハカセ 「はぁ…ドッキリ?何を言っているんですか、あなたは」

ハカセ 「この私が嘘なんてつくわけないじゃないですか」

ハカセ 「今言った事は全て事実ですよ」

ハカセ 「あなたはこの組織に所属していません」

ヌコー 「そ、そんな馬鹿な……」

ハカセ 「そんな馬鹿な、と言われましても」

ヌコー 「で、では…今のこの組織のリーダーは誰なんだ!?」

ヌコー 「私がリーダーでないとしたら、文か?それともハカセ…君か!?」

ハカセ 「いえ、私でも文さんでもありません」

ハカセ 「現在の魔法少女派遣機関本部のリーダーは、ルリ様ですので」

ヌコー 「ルリ……だと!?」

ヌコー (あの魔法少女か!!!)

ハカセ 「ルリ様は全ての魔法少女の頂点に立つお方です」

ハカセ 「ルリ様に逆らう組織には死を。これがルリ様のやり方です」

ハカセ 「実際にルリ様はわずか七日で100以上の悪の組織を壊滅させました」

ハカセ 「今ではほぼ全ての悪の組織を制圧して敵はもういません」

ハカセ 「だからルリ様は次なる敵を魔法少女としたのです」

ヌコー 「ちょ、ちょっと待て!」

ヌコー 「魔法少女だと!?今、魔法少女を敵と言ったのか!?」

ハカセ 「はい、そうですがそれが何か?」

ヌコー 「組織の目的を忘れたのか!?」

ヌコー 「組織の目的は魔法少女の育成だ!そしてその敵は悪の組織のはず!」

ヌコー 「そして魔法少女を様々な世界に派遣するのが役目だったはずだ!」

ヌコー 「それなのに…何故魔法少女を敵とする!?」

ヌコー 「おかしいじゃないか、ハカセ!」

ハカセ 「はぁ……おかしい、ですか」

ハカセ 「確かにあなたの言う事も一理ありますね」

ヌコー 「ハカセ……」

ハカセ 「…ですが、増えすぎた魔法少女を処分していくのも私達の役目です」

ヌコー 「なっ……何を言って……」

ハカセ 「あなたの言うように魔法少女の敵は悪の組織です」

ハカセ 「ですが…増えすぎた魔法少女は逆に脅威となるのです」

ハカセ 「だからこそ、ルリ様は増えすぎた分の魔法少女の消去を決めたのです」

ハカセ 「…以上がこの組織の現在の状況です。大体お分かり頂けましたか?」

ヌコー 「くっ…なんという事だ…まさかそんな…あのルリが……」

ハカセ 「…と、ここまで組織の事を喋りましたが何故だと思います?」

ヌコー 「何故ってそれは…」

ヌコー 「っ……!まさか!」

ハカセ 「ええ、まあご想像通りですよ」

ハカセ 「あなたは知り過ぎた」

ハカセ 「故に…現時点を持ってあなたを排除対象とします」

ハカセ 「ルリ様の敵は私の敵ですからね」

ヌコー 「くっ……! ここで死ぬわけにはっ…!」

ヌコー 「やられてたまるか! 私は逃げるぞ!」

ダダダッ!!

ハカセ 「はぁ…別に逃げても構いませんけど」

ハカセ 「…ルリ様の敵になった以上、どこへ逃げても必ず見つけますから」

ハカセ 「……そのつもりでお願いしますね」

ハカセ 「……って、もういないや。 逃げ足早いなぁ、あの人」

………

……

ヌコー 「くそっ…何という事だ…。 まさかあのルリがこんな…!」

ヌコー 「なんとかしてルリを止めなければ…」

ヌコー 「このままでは全ての魔法少女が危ない!!」

ヌコー 「誰か…誰かがルリを倒さなければ…」

ヌコー 「私の知る魔法少女の中で誰か……」

ヌコー 「…………」

ヌコー 「そ、そうだ!一人だけ…一人だけいる!!」

ヌコー 「ルリを倒せそうな魔法少女を私は一人だけ知っている!!」

ヌコー 「魔法少女マホ……!歴代の魔法少女の中で最強の彼女なら…」

ヌコー 「きっとルリを倒せるはずだ!!」

ルリ親衛隊 「いたぞー、こっちだー!」

ヌコー 「くっ、追手か!」

ルリ親衛隊 「ククク…私はルリ様親衛隊No.004」

ルリ親衛隊 「かつてはティー・トークと呼ばれた男だ。フフフ…怖いか?」

ヌコー 「とにかく今は逃げるしかない!」

ルリ親衛隊 「ククク、今からこの私の魔法(砲撃)で貴様を排除するからとくと見よ!

スタスタスタ……。

ルリ親衛隊 「……ってあれ?どこいった?」

ルリ親衛隊 「くっ…逃がしたか。 逃げ足の速いやつだ…」

………

……

一方その頃……

ルリ 「あははは!これまでのようね。 魔法少女モモ!!」

モモ 「うう……まだよ…… まだ私はやれるわ…」

ルリ 「あははは!無理よ!無理ね!」

ルリ 「旧世代の魔法少女のあなたが、 新世代の私に勝てるわけないわ!」

モモ 「でも…それでも私は…!!」

ルリ 「往生際が悪いのねぇ。 何度やっても私には勝てないのに」

ルリ 「あはは!これがあの最強の魔法少女のパートナーなんて笑えるわ!」

ルリ 「パートナーだって言うから強いって思ってたらただのザコじゃない!」

ルリ 「これならマホって子も大した強さじゃないわね。あははははっ!!」

モモ 「マホの事を…そんな風に言わないでよ!!」

ルリ 「あらあら?ザコって言って何が悪いの?あはははっ!!」

モモ 「マホはアンタが思ってる以上に弱くなんて無い!」

モモ 「マホはアンタより強いの!最強の魔法少女なの!!」

モモ 「だからアンタなんて敵じゃないんだから!!」

ルリ 「へえ……?」

ルリ 「なかなか面白い事を言ってくれるわね」

ルリ 「でも、それは昔の話」

ルリ 「今は、私が最強の魔法少女よ」

ルリ 「だから…私以外の魔法少女は必要無いの。分かる?」

モモ 「そんなの…分からないわよ」

ルリ 「あはははっ!そうよね、分からないわよねぇ!!」

ルリ 「私はね…この世界の支配者になりたいの」

ルリ 「だってそうでしょう?こんなに凄い力を持ってるんだから…」

ルリ 「ちゃんと使ってあげなきゃ もったいないわよ…!」

ルリ 「悪の組織?人を守る?魔法少女? そんな事どうだっていいの」

ルリ 「この力があれば私はどんな事だって出来るんだから!!!」

ルリ 「あはははははははっ!!!」

モモ 「そんな事間違ってる… 間違ってるよ!」

ルリ 「私は間違ってなんていないわ!!」

ルリ 「あははっ!まあいいわ。 そろそろ終わりにしましょう」

ルリ 「あなたと話すのも疲れちゃったわ」

ルリ 「あなたのその力、私が貰うわ」

モモ 「な…何をする気なの…?」

ルリ 「だから…魔法少女としてのその力を貰ってあげる…ってコト」

モモ 「さあ、その力を私にちょうだい?」

モモ 「……嫌だって言ったら?」

ルリ 「そうね……私なら、こうするわね」

ルリ 「ダークネス・フレイム!!」

ドゴォォォォォォンッ……!!!

モモ 「きゃぁぁぁぁぁああああああっ!!」

ルリ 「あははっ! ちょっと威力が強すぎたかしら?」

ルリ 「でもこれで…あなたの力は私のモノ」

ルリ 「ほら…分かるでしょ?あなたの体から力が離れていくのが」

ルリ 「あははっ!これよ、これっ!!」

ルリ 「魔法少女の力の全てよ……!!」

ルリ 「ふぅ……!」

ルリ 「……ペロッ」

ルリ 「あははっ!これが…最強の魔法少女のパートナーの力なのね」

ルリ 「凄い…凄いわ! 持ち主に比べてこの力は凄い…」

ルリ 「体中から力が溢れてくるわ! これならすぐにでも支配者に…!」

モモ 「ま…待ちなさいよ…。 まだ私は終わってない…わ…」

ルリ 「あははっ!あれだけやって生きてるなんて大したものねぇ」

ルリ 「でも、もうあなたに用は無いわ。 手に入れるものは手に入れたし…」

ルリ 「それにあなたに構ってる暇はないの」

ルリ 「私はもっともっと多くの魔法少女を倒さないといけないもの」

ルリ 「だから…見逃してあげるわ」

モモ 「待ちなさいよ…あなたは私が…!」

ルリ 「あははっ!それじゃあね!」

ルリ 「次は……どの子の力を頂こうかしら」

ルリ 「今から楽しみね……あははっ!!」

モモ 「あっ……ま、待ちなさい!!」

モモ 「うう…私に力があれば…」

モモ 「……そ、そうだ……マホなら何とか出来るかも……」

モモ 「でも助けてくれるのかなぁ…。 マホ、魔法少女辞めちゃったし…」

モモ 「でも悩んでも解決しないよね。 マホのところに行ってみようっ!」

モモ 「マホなら…あのルリって子を倒せるはずだよねっ!」

モモ 「……たぶん」

………

……

続く……

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Posted at 2014/05/26 04:02 Viewed 17 times

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#03 奪う者、奪われる者。

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