桃。これを見ろ！
おぉ！
おぉい、お前ら。
サボってないでアレ探すぞ。
っても、見つからないしな。
簡単に見つかると思ったのに！
…………
？？？
うわっ！
何か耳鳴りがしたな。
なんだろうな。
頭が痛くなったかも
そう言われると、俺もそんな気が……
……頭痛が痛い
いや、頭が頭痛する
どっちもおかしいだろう！
ねぇねぇ。
どうした？
今、何かいなかった？
おいおい、怖いこと言うなよ。
って、おい！
何か、おかしくね？
何がだよ。
静かすぎる。
あれ？ 本当だ。
さっきまであれだけ人がいたのに……
なんで、今は誰もいないんだ？
おかしいですねぇ
みんなトイレとか？
おい、静かにしろ！
何か、音が聞こえないか？
なになに？
なんにも聞こえないよ？
車か……？
何だよ車って
いや、ほら。聞こえないか？
凄いエンジン音がするだろ？
全然。
うわっ！ ブレーキかけた！
何だよ。それ。
笑うところか？
あああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁ！！！！
えっ？
どうした！ 桃！
足があああぁぁぁ！ 足がああぁあぁ！
桃！ 何をしているんだ。
足は大丈夫だ！
足は……
おい。どういうことだよ。
桃の足が……
……ない。
痛い痛い痛い痛い――
痛い！ 痛いよ！
助けてよ！ 痛いいいいぃぃぃ！
何だよ。どういうことだよ。
救急車だ！
救急車を呼びたくても人がいねぇんだよ！
とにかく、ここからすぐに出るぞ。
分かった。
桃。抱えるから暴れるなよ。
蒼！ どこに行くつもりだ。
まずは、図書館から出る。
走れ！ 山吹！
おう！
これ……捨てないでね。
どうした。桃。なんか言ったか？
あ、あの。山吹。
もう、大丈夫だから。
あ、あれ？
足は？
それより、早く降ろして……
どういうことだ？
桃も周りもいつの間にか元に戻っているぞ。
いつの間にか頭痛もしなくなったデスよ
うむ。その調子でこそ桃だ。
あれ？ 他のみんなは？
おおかた先に部室に戻っているのだろう。
僕たちも戻るか。
山吹
なんだ？
それは何なのです？
それって？
あれ？ いつの間にこんなもの持っていたんだ？
何だそれは。
本か……
人の名前がいろいろ書いているな……
何か、キミが悪いですぅ
だな。
元あるところに返して来い。
と言っても、返す場所も知らないしな。
じゃあ、捨てろ。
いや、それはなんとなく……
本もそうだけど、さっきのは何だったんですか？
そうだよな……
幽霊……
……とかな
やめるッス。
そんなの――
いないッスよね？
……
……
……
お前ら！ どこに行っていたかと思ったら帰っていたのか！
