…この門をくぐるのも、 今日で最後か
本当にいろんなことがあったなぁ…
うっす〜望月君！
ん？ってああ、二之宮じゃん！ 久しぶり！
いや〜、めでたいねぇ！ 私たちもとうとう卒業だよ！
二之宮、だいぶ馬鹿やってたよなぁ
何ぃ！？ 望月君も馬鹿やってたよ！ 大バカだったよ！
………
え…どうしたの？もしかして、 怒らせちゃったかな…？
いや、そうじゃないんだ。 ……こんなに楽しく 馬鹿やってられるのも、
今日でもう終わりなんだなって…
なんかさ…寂しくね？
…やめてよ。 式の前なのに……
そ、それもそうだったな。 じゃ、 お互い最後の学校行事を楽しもう！
おっし！！やっと終わったな！
ああ、泣いてる人も居たけど、 大丈夫かな？
大丈夫だろ。つーか俺たち、 後に二年で成人すんだからさ。 こんなことでショげててもな！
……そっか。だよな。
あ！そうだ！ これから何人かで 打ち上げやんだけどよ、
お前も来いよ！ きっとみんなも喜ぶぜ！
…いや、俺、行くところがあるんだ
…そうか。 じゃあ、また遊ぼうぜ。
ああ、絶対にな
……………
やっぱりここに居たんだな、二之宮
も、望月君！？
……お前、俺のこと好きだろ？
は！？な、何言って
ごめん…全部俺が悪かった。 気付いていたのに、 見て見ぬ振りしてたんだ。
…………
……俺も、お前の事好きだよ。
…え？……
夏休みが終わった頃かな、 好きだって気付いたのは。
ホント……？
この気持ちに偽りはない。
二之宮、お前が好きだ。
ずっと言えずに居たんだ。
やっと…言えた。
…うれしいよ、望月君。
ねぇ…好きってもう一回だけ言って
好きだ。 何度でも言うよ。
………
……あのさ
な、何？
きょ、今日、家、遅くまで 親居ないから……
………う、うん
……キスして
…………
うん
この三時間後、 僕は今日で二回目の卒業をした。
終わり。 卒業するあなたへ祝福あれ
