“安価は関係ないが世界救うⅣ 綻”

前回のあらすじ

旅を続けていた勇者一行。

『魔女』であるメーディアも 仲間に加え、 確実に力を着けていった。

しかし、それから しばらくたった冒険の道中。

勇者とクロードの装備——初期装備では限界を感じ、武器の素材となるインゴットを探しに行ったのだった

またその道中で、 ステラ・スミスである 鍛冶屋に出会った。

スミスを仲間に加えて、 一行はインゴットを求め洞窟を進む

……もう少しで 最深部に辿り着きそうだな…

一応、戦闘準備を しておいてくれませんか?

………やはり中ボスが?

ああ、僕の経験では必ずいる。

……ほら、周りの岩石の色が 違ってきただろう? もうすぐボスが近いんだ

よし、わかった

警戒を怠らず進んでいくと、 そこは行き止まりだった。

……? インゴットはないのか?

…いや、この先にあるよ

今開ける

スミスは その鎚を大きく振りかぶり、

せいやっ!

小気味いいかけ声と共に 岩石の壁を叩いた。

するとみるみる内に壁は崩れ、 先への道が見えた。

(スミスを加えないと  入手できない仕組みに  なっているのか…)

…………さぁ、気を引き締めて。 この先は間違いなくボスがいる。

勇者が先頭に立ち、先へ進む…

壁の先はぽっかり開いた 部屋のようになっており、 奥では何かがほのかに輝いている。

あれが…インゴットか

一歩一歩慎重に歩んでいくと…

ココマデダ

ガイアゴーレム弐型 Lv56が現れた!

な、敵か!?

思わずその巨体に 見上げる形となった。

私から順に叩く! みんな、行くぞ!

カラドボルグ 『閃光迅剣』 !!

最近習得したばかりの大技、 カラドボルグを見舞う。

ガキンッッ!!

なっ、なんだコイツ。 想像以上に堅い!

HPバーは三割も減らない。

喰らうがいい! アルマッスラッシュ 『黒氷の狼刃剣』 !!

クロードの刀剣が青白いエフェクトと共に冷気を帯びる。

繰り出された攻撃は—— 六連撃。

だ、駄目だ。 まるで効かない!

魔法なら!  ガ・ジャルグ 『不治癒の赤鎗』 !!

背後に回り込んだメーディアの 鋭い貫通攻撃魔法。

赤い閃光がゴーレムの体を貫く… しかしHPはまだ六割残っている。

僕の出番だね

砕け散れッ! ミョルニル・メイス 『絶対粉砕金剛鎚』 !!

それは勇者も驚かせた技だった。

今までで最大級の ライトエフェクトを纏ったメイス。

閃光と雷電の迸る鎚を スミスは軽々しく——

ぶん投げた。

放たれた鎚はなんとゴーレムの 頭部、胸部を文字通り粉砕した。

上半身の殆どを粉々に爆砕された 哀れなゴーレムは 虚しい金属音と共に消え散った。

ふぅ………

あ、アンタ随分と強いんじゃねぇか どんな技だよ…あれ

あー、今のは鎚系スキルの 最上位最強クラスの大技だからね。

大抵の奴はぶっ殺せるんだ

…………

さ、インゴットを取りにいこう

勇者は輝きに近づき、 手を伸ばした。

インゴットと思わしき鉱石は 四つ程あった。

……これで最強装備が整うな…

……ああ、とっととここを出よう

さ、入って入って。

お邪魔しまーす

勇者一行はインゴットを携えて、 スミスの ファクトリー 『鍛冶工房』に来ていた。

丁度勇者たちが目指す 魔王城への道と重なっていたので、 とても好都合だった。

……武器、頼むぞ

あいあいさー!

インゴットを預けると 慣れた手つきで 燃える炉に放り込んだ

十分熱した所で 金床に運び、愛鎚である メイク・メイス 『創造鎚』  で叩き始めた

カーン カーン カーン と甲高い金属音。

…出来たよ

インゴットだった物は、 星の様に輝いて 形状を変化させていた。

ほら

スミスがひょい、とそれを投げる。

おっ、重っ!

インゴットの中でも かなりの高級品だから、 そりゃ重いよ

剣の名前は ロンズデーライト・ブレード  『六方光晶の燐天刀』

……いい刀だ

純白に薄青白い透明を鏤めた刀身。

勇者が振るってきた 大剣とは違い、ロングソード風。

スタンダートな剣の形状。 その中に強力な力が見え隠れする。

そして、君にも。 はい

ああ。

銘は タナトスケヴニング 『死神戦士の閃黒剣』

クロードが受け取ったのは 反対に純黒の剣。

ふむ………俺が握った刀で一番良い

僕に掛かればこんな所さ

……なぁ

なにかな?

私は大剣スキルメインで 覚えてるから… ロングソード使いづらいんだが……

大丈夫、振ってご覧よ

勇者は白剣を構え、空を切った。

馴染むだろう?

ああ……本当だ

勇者にはこれが合うと思ったんだ。

なかなかいい目してるんだな…

敵の弱点も探れるしね。

……………なぁ、スミス

なにかな

お前が欲しい!

な……ぇ?

これが噂の勇者の血統か!?

私、お前が大切だって気づいた! (パーティに)

スミスが欲しい! 一緒に来てくれ!!

………僕はそういう趣味はないんだ でも、パーティには付いていくよ…

ハーレム形成の血統ゥ! 伊達じゃねぇな!

仲間を増やし、旅は進んでいく。

デザートコブラ Lv76 が現れた!

いけぇっ! レクイエムクアッド 『鎮魂斬の四連撃』 !

光芒を引き、 刃が大蛇を四度切り刻む。

シャァァッッ!!

デザートコブラの攻撃! 勇者は回避した!

スルト・サモン 『炎神召還』  !

灼炎の巨人が姿を現し、 デザートコブラを燃やし尽くした。

敵のレベルも高くなってきましたね

大丈夫だ。 マージンは取っているから 死ぬことはないさ。

それに私たちだって レベルアップしているし。

この遺跡の地下に伝説の 『堕天剣』があるらしい

………敵が出てこないな…

何も出てこないまま、 遂に最深部へと来てしまった。

進めばそこは地上だった

…………

はぁ…結局ガセだったか…

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ッ

!なんだ

キサマハ勇者カ。 ナラバケシサルノミ。

魔神の天王・ソロモン Lv??? が現れた!!

…ッ! こいつは強い!

みんな!連携していこう!

スターダストクルセイド 『超恒星屑の十字聖剣』!!

夜空を照らす数多の星の如く。 光の軌跡を描いて剣が敵を斬る。 その数、三十七連撃。

体力自体は多くない! みんな、一気に片付けよう!

ハイボルテック・カノーテス  『超電撃閃光の衝撃砲』  !!

キカヌキカヌ。

駄目です! 魔法が効きません!

創世スキル! メイク・ザ・ワールド  『設定創付』    !!!

敵の防御力を半分にする!!

スミスは叫んで地面を鎚で叩く。

敵周囲に魔法陣が浮かび、 相手のステータスバーの 防御欄の数字がごっそり減った。

終わりだッ!!  ハーデスジャッジ 『冥界塔神の審判刃』 !!

黒い影を引いて、 強靭な一振りがソロモンを穿つ。

グググ…… ソレテイドデタオレルトオモウナ!

ギュアギュアギュア……!!!

ソロモンの目の前に 禍々しいエネルギーが音を立てて 集結していく。

まずい! 何かがくるぞ!!

堕天剣の番人の攻撃は近い。

どうなる、勇者一行!

綻 終わり

終 に続く。

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Posted at 2013/04/21 21:10 Viewed 21 times

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次回は遂に魔王を倒すぜ!待ってろマウスパッド!

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