『腹痛との戦い』

それは、授業中のことであった

突然の腹痛が、とある少女を襲った。

(痛い・・・)

(でもあと30分だから・・・我慢できそうね)

この時彼女は修羅場が待ち受けていることを知る由もなかった。

10分後・・・

グギュルルルルッ!

下腹部が悲鳴を上げた。

(苦しい・・・トイレ行きたい・・・)

ついに我慢の限界が近づいてきた。

しかしそれだけに留まらず

次に更なる羞恥が彼女を襲うのだった。

(だっ・・・駄目っ!)

(なんか臭い・・・)

(どうしよう・・・バレちゃってる!?)

彼女は幸運にも「実」の放出は回避できた。

しかし!

異臭を伴うガスを放ってしまったのは事実なのだ。

(少し楽にはなったけど)

(終わるまで持ちそうにないわ・・・)

(もう こうなったら・・・)

先生!

どうしました、

お手洗いに、行かせてください・・・

彼女の表情も、切迫した状況を訴えている。

ギュルルルルッ!

新たにお腹から異様な音が漏れ、苦しみを裏付けることになる。

わ、わかったわ。いってらっしゃい

(やっぱりう○ち我慢してたんだ 漏らさないでよね)

蔑むような数人の姿勢が突き刺さるが、今の彼女にそれを気にする余裕はない。

(なんとか抜け出したわ)

(今のうちに!)

長い廊下を駆けて、女子トイレに向かった。

(ここだと教室近いし・・・恥ずかしいけど・・・)

(うっ・・・・)

強烈な痛みが新たに彼女を襲う。熱く、重い感覚も迫ってくる。

別のトイレに行く余裕がないことを悟り、個室を目指すのだった。

危機はすぐそこまで迫っている。

しかし、苦しみでショート寸前の思考回路を何とか稼働させ、名案がひらめいたのだ。

(こ・・・こうなったら・・・)

誰も見ていないのを良いことに、スカートの上からお尻を押さえてこらえることにした。

個室の扉を開け、勝利を確信するが、まだ油断はできない。

「家に帰るまでが遠足だ」という言葉を皆さんも耳にしたことがあるだろう。

放出しても良い準備を整えるまでが我慢なのだ。

(駄目よ・・・もう少し 耐えないと)

幸い、激流は辛うじて奥に引っ込んでいた。

放出を食い止めていた片手をすぐさま脱ぐ作業に回す。

手で押さえられない以上、最後の力を振り絞って食い止めるしかない。

間一髪のところで、惨めな決壊は回避された。

下半身が露わになる。

すらりと伸びた脚に、肉付きが良くそれでいて締まったお尻。

目を見張るような美しさだが、これからその美しさに見合わない光景が繰り広げられようとしている。

その光景を見た者は、そのギャップに対する幻滅を通り越して、驚愕さえ感じざるを得ないだろう。

(ま・・・間に合ったわ)

限界の一歩手前からの我慢から解放され、喜びを噛み締める。

激流を食い止めていた締め付けを緩め、落ち着いたところで力を入れる。

しかし、彼女の孤独な戦いは終わったわけではない。

(まだ、止まりそうにないわ・・・)

運命は残酷だった

そう、休み時間になったにも関わらず、腹痛は彼女を解放してくれない。

更に、鳴りを潜めていたと思われたガスの排出が再び始まった。

教室で放ってしまったそれと、比較にならないほどの音が響き渡る。

それだけでは済まされない。ガスで放出が促進され、一層激しさを増していたのだ。

彼女がいる個室の中では、今まさに爆発が繰り広げられているのだ。

せめてもの抵抗として、水を流して誤魔化そうとしても、激しい放出による爆音に対しては無力だった。

恥ずかしくないのかしら?

小声ではあるが容赦の無い非難が彼女に襲いかかる。

数分後、生徒が減って再び静寂が訪れたことで彼女は安堵する。

(もう出そうにないし・・・)

放出が終わり、安心したのも束の間

個室内の惨状が、彼女の目に飛び込んできた。

(ど・・・どうしよう・・・)

(汚しちゃったわ・・・)

更に、休み時間の終了を告げるチャイムが鳴ったことも彼女の苦しみに追い討ちを掛けたのだった。

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公開日 2013/05/10 10:49 再生回数 2,195

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