“魔法少女、辞めました。#01”

私の名前はマホ。 悪の組織と戦う正義の魔法少女… と人々は呼ぶ。

私は長い間、正義の味方として 悪の組織と戦ってきた。

でも…最近何だか、 魔法少女を辞めたいと思い始めた。

戦っている時も、 「私、何で戦っているんだろう…」 という気持ちが強くて 戦いに集中出来なくなっている。

こんな思いを背負ったまま、 戦う事なんて出来ない……。

そこで私は決めたんだ。

私は今日、魔法少女を辞める。

………

……

モモ 「スターダスト☆フレイムっ!!」

モモが放った炎の玉が 一直線に怪人の方へ飛んで行く。

そしてそのまま怪人に命中した。

怪人 「ぎょええええええっ!!」

怪人 「く…くそぅっ! 覚えてろっ…魔法少女め! 今回は負けたが次は勝つ!!」

怪人 「サラダ……じゃない…… さらばだ!!」

モモ 「やったわ!私達の勝利よっ!!」

マホ 「………」

モモ 「…あれ? どうしたの、マホ」

マホ 「モモ……」

マホ 「あのね…。 ちょっと話したい事があるんだけど」

モモ 「え、何?」

モモ 「もしかして… 帰りにケーキ屋さんに 寄って帰ろうとかそういう話?」

マホ 「私…今日で魔法少女を辞めるわ」

モモ 「え?」

マホ 「じゃあそういう事だから… 私、もう帰るわ……」

モモ 「ちょっ…ちょっと待ってよ! 何でいきなりそんな事言うの!?」

モモ 「悪の組織との戦いはどうするの!? 私達の戦いはこれからじゃない!」

マホ 「私ね…もう良いかなって思ったの。 もう何も恐くないの、私」

モモ 「ちょっ…それ死亡フラグ!?」

モモ 「ま、待って! そんな簡単に辞めるとか言わないで!」

モモ 「悪の組織を壊滅させるまで… 私達の戦いは続くんだよっ!」

モモ 「それなのに、こんな所で辞めるなんて… マホは今まで何の為に戦ってきたの?」

マホ 「何の為……? もちろん、正義の為よ」

モモ 「だったら… 辞めるなんて言わないでよ!」

マホ 「でも私…もう疲れちゃったの」

マホ 「何が正義で何が悪なのか…… 分からなくなったの」

マホ 「だから私は今日で… 魔法少女を辞めるわ」

モモ 「マホ……!!」

マホ 「それじゃあ…今までありがとう」

マホ 「……じゃあね」

モモ 「マホ……!!」

私はモモに別れを告げ、 その場を立ち去った。

明日からは魔法少女としてではなく、 元の日常生活が始まる。

少なくとも私はそう思っていた。

そう、この時までは……。

………

……

~魔法少女派遣機関本部~

ここは、魔法少女派遣機関本部。

数多くの魔法少女達を育成し、 悪の組織と戦わせる事を目的に、   様々な世界に魔法少女を 派遣してきた秘密組織である。

そして今そこに数人の幹部達が 集まり、会議を行っていた。

ヌコー 「…魔法少女マホの事は残念だった。歴代の魔法少女の中では最強の能力を兼ね揃えていたのに…」

ヌコー 「惜しい魔法少女を無くしたものだ……」

文 「ええ…彼女を失った事は、 今後の悪の組織との戦いに影響が 出ると思われます…」

文 「なんとか彼女に帰って来てもらう事は出来ないのでしょうか…」

ヌコー 「何、心配はいらぬさ…。 魔法少女などいくらでも代わりはいる…」

ヌコー 「魔法少女を一人失ったからといって、 こちらの戦力がゼロになったわけではないさ……」

ヌコー 「また新たな魔法少女候補を見つけ出し…そしてその娘を魔法少女にすれば良いだけの話よ…」

ヌコー 「クククククク……」

ハカセ 「ヌコーさん…。 それ何だか悪役みたいですよ。 やめた方が良いと思います」

ヌコー 「ぬぅ…いたのかハカセ。 大丈夫だ…この喋り方は生まれつきだ…」

ハカセ 「ああ、そうそう。 頼まれてました新世代の魔法少女が ついさっき完成しましたよ」

ヌコー 「何っ!?本当か! 早速見せてみろっ!!」

ハカセ 「あ、はーい。 じゃあすぐに呼んできますね」

ヌコー 「ククク…どんな魔法少女が 来るのか楽しみだな」

ハカセ 「呼んできました。 それではどうぞ」

ロボ 「シャキーーーン!!」

ヌコー 「ほほう…これが新世代の魔法少女か。なかなかガッシリとしてメカメカしているな…」

ヌコー 「新世代の魔法少女はトランスフォームするのだな…これで悪の組織など恐れるに足らんなぁっ!!」

ヌコー 「……じゃ、ねーよ!!!」

ヌコー 「どう見ても魔法少女っていうか、 完全にロボだろ!!」

ヌコー 「魔法(物理)とかか!! そういうアレか!! ピザ持ってるし!」

ハカセ 「突っ込みありがとうございます。 もちろん今のが新世代の魔法少女なわけはないです」

ヌコー 「あ……そう……」

ハカセ 「それではこちらが 本物の新世代の魔法少女です、どうぞ」

ヌコー 「(まーた…魔法少女じゃないものが出て来るんじゃないだろうな)」

ルリ 「…初めまして。 新世代の魔法少女、ルリです」

ヌコー 「(あっ…意外と普通の娘じゃないか…)」

ルリ 「…で?どこの悪の組織を ぶっ潰せば良いのかしら?」

ルリ 「早く戦いたくて戦いたくて 仕方ないのよ…!あはははっ!」

ヌコー 「(うわぁ……)」

ハカセ 「新世代の魔法少女、ルリは… 攻撃力とスピードに特化した魔法少女です」

ハカセ 「ただ、そのせいで性格がアレになってしまいましたが、魔法少女としては問題ないかもです」

ハカセ 「旧世代の魔法少女は、契約の力で 魔法少女になっていましたが……」

ハカセ 「新世代の魔法少女は、 契約に加え…特殊な改造を施しています。なので強いと思います」

ヌコー 「いやお前それは……。 悪の組織っぽいんじゃ……。 改造とかそういうのは…うん」

ハカセ 「え?魔法少女の代わりなどいくらでもいるんじゃないんですか?」

ハカセ 「だったら一人ぐらいそんなのがいても良いと思いますけど」

ハカセ 「それに悪の組織も日々進歩しているんですから、我々も進歩しないと」

ハカセ 「そうしないとあらゆる組織に対抗出来ませんよ?」

ヌコー 「お、おう……」

ハカセ 「というわけで魔法少女マホの代わりは、この子にやってもらいますから……そういう事でお願いします」

ルリ 「アハハハ!! この私に任せなさい!! どんな組織も壊滅させてあげる!」

ヌコー 「お、おう……任せたぞ。 魔法少女ルリよ……」

………

……

つづく……。

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Posted at 2013/04/14 22:28 Viewed 36 times

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#01 さらば、魔法少女よ。

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