『ラノベ作家(笑)・終』

突然ですが、最終回ですっ!

第6弾……。

最後まで突っ走っていくので、 どうぞよっろしく~です!

お相手は、いつもの私たち。 そして今回の議題は……?

なぜ今シリーズが 『ラノベ作家(笑)』という タイトルになったのか?

そこについて暴露というか、 明らかにしてみよう というお題になります!

ただの「皮肉ネタ」 タイトルではなかったの……?

最初の掴みこそ 皮肉が込められてたけど、 中身はそれだけじゃなかったり。

そこのところは、 これまで本シリーズに お付き合いしてくださった 読者の皆様にある程度 ご理解頂けてるのではないかと。

しかし完全に伝わっているとは 限らないと思う……。

その通りっすね。

つーわけで最後ですし、 しっかりと意思表示したいと。

筆者としては、 「ライトノベル作家」と 「ラノベ作家」。

これら2つの肩書き。 それぞれは違う意味を持つ言葉だと 考えております。

略しただけ、では……?

ちょっとややこしいかもしれないし、もう一度言います。 っていうか、 今度は正しく言い直します。

「ラノベ作家」と 「ラノベ作家(笑)」は別だと。

あ、ここで言う「ラノベ作家(笑)」はタイトルのことじゃないよ。 念のため。

「ライトノベル作家」と 「ラノベ作家」は同じ意味。 略しただけね。

けれど「ラノベ作家」と 「ラノベ作家(笑)」は別。

……その2つはどう違うのか。

ではちょっと考えてみましょう。 まず、昨今のラノベ事情について。

……ふむ。 昨今のラノベ事情……。

ぶっちゃけさ、どう思われます? 率直な感想。 簡単な印象として。

……萌えありき。本屋の商品棚に行くと、肌色(二次元美少女)の表紙で 埋め尽くされている。

うん。そんなカンジだね。

ハッキリ言って、 一般人には近寄りがたい雰囲気に なってしまっている感がある。

「ラノベが売れるかどうかは表紙(と、挿絵)の占める割合が大きい」と言っている人もいたね。

……絵(イラスト)で売っている?

漫画とは違って、文章主体の小説ではお客さんとしては中身を吟味するのに時間がかかる。

帯などの紹介文だけでは 売り込みとしてどうしても弱い。

それなら、表紙や挿絵で萌えを前面に押し出した方が、インパクトがあって手にとってもらいやすくなる!

おそらくはそういう 販売戦略ということでしょう。

それで本編(本文)は それら萌えキャラや萌え設定の説明が出来ていればいい、と。

小説なんだから、本文がメインな商品のはずなのに……。

まるでビックリマ○チョコだね。 シールだけ取って、チョコは捨てられてしまうってカンジの。

木製のおもちゃがオマケで 付属してたグリ○も……。

下の箱に入ってる キャラメルは食べ残したりしてね。

ちょっと横道に逸れたけど、 ようするに昨今のラノベでは……

本文の出来より、 登場するキャラや設定。 もっと言うと……

それらキャラや設定が コンテンツとして魅力的なのか。 それが大事。

っていうのが、昨今のラノベにおけるだいたいの市場戦略なのね。 市場の空気とも言うかな。

しかし、 商品ということを考えると……。

もちろん間違ってるとは言えないね。ラノベってのは『商品』なんだから、販売戦略としては正しいかも。

世間一般で言う「オタク」とされる人たちを相手に、「萌え」というコンテンツを提供して利益を上げる。

その戦略についてとか、 「萌え産業」の今後についてとか、 色々と思うところはあるけれど。

今回言いたいのは、 そういった市場についてのこと だけじゃないの。

前置きが長くなってしまったけど、 『ラノベ作家(笑)』というタイトルの由来と、関係するの……?

ちゃんと関係するから安心して。

で、ここまで語った 昨今のラノベ事情を踏まえて、 というか……

「市場がなんとなくそういう状況になってるんだな」って理解してもらったとして、話を続けるよ?

さっき率直な感想をぶっちゃけてもらったけど、

「読者」としても、 昨今のラノベってのは 「萌えありき」というか、

「萌えがないと受け入れられない」 という印象があるよね。

萌えがないと、 「商品にならない」=「売れない」 ということで。

……小説としての技術は 抜きにして考えても、 「萌え」が入っていないと 持ち込みや投稿をしても 突っ返されるイメージが。

実際は「萌えがないと作品として評価してもらえない」ってことは (必ずしも)ないんだろうけど、

作り手としては「萌えのない作品だと評価をもらうことが難しい」って カンジかな?

「商品として世間に求められてるのがそういった作品だから」っていう事情もあると思う……。

そんなイメージがあるよね。 ま、それについて言及したりする気はないんだけどさ。

ここでまた質問するね。 「ライトノベル作家」って肩書きを 聞かされて、どんな印象を抱く?

……その人の作品が売れているか どうかにもよるのでは?

それはもちろんだけど、ここでは作品については考えず。 単純に職種としてどんな印象です?

職種としての ライトノベル作家……。

「それはスゴイ!」 「この人はスゴイ人だ!」 「尊敬します!」

……そんな風に感じる? ぶっちゃけ。

……感じにくいというか、 そういう感想を抱く人は少ないのではないかと思う。

それが正直なところだよね。

たとえばさ、同じ「作家」という職業のはずなんだけど……

「芥川賞作家」「直木賞作家」 「週刊少年ジャン○作家」 こういった作家さんたちの方が、 なんとなく上な気がしない? あくまでも、なんとなく。

……どちらが上か下かという問題?

もちろん、そんなことはない。

たとえばだけど。「○○より○○の方が高尚だ」なんて、筆者はそういう考えは微塵も思ってないし、

そんなことは比べることではないはずなんだよね。 本来なら。

でも世間的には『ライトノベル作家』イコール「スゴイ人」とは簡単には思われない。

「この人の作品はこれだけ売れて、 こんなブームを起こしたんですよ」 ってところまで説明されれば、 理解出来る人には 感心されるかもしれないけどね。

で、そうなっている原因はなにか? どうして一般の方々に そう思われてしまっているのか。

……ラノベ作家の、 社会的地位が低い?

その通り。認知度はあるんだけどね。 というか、同じ『作家』という職種のはずなんだけど……

「ラノベ作家なんて作家として底辺」 なんていう印象も持たれてるわけで。

もしかして、 『ラノベ作家(笑)』という タイトルは……

うん。 昨今のラノベ事情と、世に出てくる商品としてのラノベを見て、

ラノベ作家について読者の方々が抱いている印象とか、世間から見ての「声」なの。

だけどさ、実際に数字として売れているラノベはいくつもあるよね? アニメなどのメディアミックスが 成功してたり。

なのに社会的地位が低かったり、 同じ作家でも 馬鹿にされてしまうのは……。

納得いかないよね? 正直なところ。

ではなぜ、「ラノベ作家(笑)」 といった印象を 持たれてしまっているのか。

……明確な原因が?

「これが悪いんだ!」って、指摘することは残念ながら出来ません。

色んな要因が合わさっての 「ラノベ作家(笑)」だと 思ってるので。

……ただね、 「マズイんじゃないかな?」って 思える点が1つあります。

なぜ『ラノベ作家(笑)』というタイトルにしたのか?という理由とも関連があるので、それをお話します。

たとえばさ「○万部突破!」なラノベが世に出たとしようか。 いわゆる「人気作」ね。

……本屋で平積みになってたり、 ポップで宣伝されてたり、 広告に載ったり?

そうそう。そんなカンジ。 で、ラノベをそれほど手広く読んでいるわけではない人からすれば、

「○○賞、大賞作品!」 「大人気シリーズ最新作!」 「TVアニメ放送中!」

こういった宣伝で売り出されてる作品が「今時のラノベ代表作」だと思ってしまう。思ってしまいがちなのね。

……まぁ、分かる。

本当はその作品の他にも、 色々なジャンル・色々な文章のタイプな作品たちがあるはずなんだけど、

その「今時の代表作」だと 思われた作品だけが、その人にとってみれば「ラノベ作品」(全体)に なってしまう可能性が高いんだよね。 印象として。

学校や会社で言われたことないかな? 「誰か1人に対しての印象が、組織全体への印象になってしまう」って。

……たしかに、 嫌な店員がいるお店は 利用したくなくなったりする。

そうそう。そういうの。

で、たとえばアニメからその作品を知った人が、「原作も売れてるらしいけど、読んでみようか」

こう思って、 作品に手を伸ばしたとしてさ。

その原作であるラノベが、 いかに「○万部突破の大人気作!」 だったとしても、

中身(小説部分)がヒドかったら…… 読んだ人の印象はどうなるかな?

……アニメ効果で売れただけか。

それだけならいいかもしれないけど、 その人がもし、 「これが今時のラノベ代表作」って 偏見というか、 そういう印象を持って読んだのだとしたら……?

「こんなのが大人気なのかよ」 「こんな文章でも賞取れるのか」 「こんな原作でもアニメに?」

……こうなる?

……そうなる可能性があるの。でね、そういった感想や印象がその作品に対して「だけ」ならまだいいんだけど

……読んだ人にとって、 その感想や印象がラノベ全体への印象になってしまう?

うん。それが一番恐い。

っていうか、『ラノベ作家(笑)』になってしまってる要因の1つでもあると思うんだ。

「文章が下手でも売れる」 「テンプレの繰り返しでもOK」 「萌えさえ出せばいい」

ラノベ全体に対し、そういった印象を持たれて、それがそのまま世間からの印象に。

さらにこれから作品を作ろうとする人達まで「ラノベとはそういうものだ」なんて思って、いつかそういう作品しか世の中に出てこなくなってしまう……そんな可能性が。

……まぁ、ないとは言えない。

全ての作品がそうだとは言わないよ? 文章や設定が上手い作品も沢山ある。でも、最近は少ないという印象で。

筆者だって若造だからさ、 お年寄りみたいに「昔は~だった」 とか、あまり言いたくないけど……

最近のようにラノベがここまで萌えに媚びてなかった時代を、読者としても知ってるから、余計にね。

けれど昨今の市場は前述の通りだし、 投稿作も受賞作も萌えばかりだし、 アニメ効果などで数字として 売れている作品があっても 「原作はヒドイ」 なんて言われてたり。

……残念ながら、 あてはまってしまう作品は いくつも思い浮かぶ。

だからね。世間・読者・同業者から 『ラノベ作家(笑)』って 思われてますよ?

このままじゃマズくないですか? もう一度、小説としての基礎を 見返してみたほうがいいのでは?

頭に「ライト」がついてるけど、 仮にも小説なんだから。

文章で勝負する、血と汗で作った 作品のはずで、それを生み出す 「作家」さんなんだから。

……そんな問題定義っていうか。

読者も作者も、作品のクオリティを 見つめ直してもらうきっかけにでもなればいいかなぁ。なんて。

そういう思いでこのタイトルにして、やってきたシリーズでした。 ……という。

作者はもちろん、 読者の目が肥えれば…… 市場に出てくる作品全体のレベルが底上げされるはず。

そうすると新しく市場に手を伸ばしてくれた読者・関係者・作者から、 『ラノベ作家(笑)』だなんて 思われないようになり……

最終的にラノベ作家の社会的地位、 印象や評価の向上にも 繋がるハズ、と。

それが筆者の考えです。

まぁ、筆者は 「大人気な売れっ子作家」って ワケじゃないからね。

現時点で何をほざこうが 影響力はありませんよぶっちゃけ。

けど……いつかそうなるのが夢。

それはもちろん。 夢を抱くのは悪いはずがないよね。

お前なんか向いてない。ヤメとけ。 なんていくら言われようが、 ヤメる気はありませんですよハイ。

……ずいぶん長くなってしまった。

シリーズ最後だってことで、 ちょっと語りすぎちゃいましたね。 申し訳ないっ。

ここまでお付き合い頂きまして、 本当にありがとうございました!

コメントも貰えて、感謝……。

『ラノベ作家(笑)』はこれで終了となりますが、もしかしたらタイトルを変更したりして、似たような内容で続けるかもしれません。

……構想は?

今のところまったくない。

っていうかこっちばかり手をつけてたのもあって、連載してる小説の進行が遅れてしまっているからね。 まずはそっちの遅れを 頑張って取り返さないと。

……恋愛小説だっけ。

そうそう。 不思議なモンだね。

筆者はグロ・バトル・ファンタジーが好きなくせに、実際には恋愛モノ ばっかり書いてるんだもんね。

……まぁ、世の中は思ったように いかないということで。

それでは、これにて終了になります。 長いのに最後まで、お疲れ様でした。

そして、ありがとうございました!

ありがとうございました……。

また会えると嬉しいね!

復活したなら、その時はまた よろしくお願いしたい……。

そんなわけで、お相手は最後まで あたしたち2人でしたっ。

それじゃあ、まったねー!

……さらば。

お付き合いくださった方々。 ならびにコメント等くださった方々に、重ね重ねお礼申し上げます。

ありがとうございました。

『ラノベ作家(笑)』 ――了

B
e
f
p
q
r
s
K
O
キーボード操作
  • J 次のページ
  • K 前のページ
  • [ 最初のページ
  • ] 最後のページ
  • E フキダシのモーションON/OFF
  • 0 自動ページ送りOFF
  • 1 自動ページ送り (おそい)
  • 2 自動ページ送り (ふつう)
  • 3 自動ページ送り (はやい)
  • P 自動ページ送りの停止/再開
  • ? キーボード操作の表示
もう一度みる
他の作品をみる
公開日 2012/05/09 21:15 再生回数 366

作者からのコメント

シリーズ最終回です。やはり最後の最後まで長くなってしまいましたが、ご容赦ください。ここまでお付き合いくださり、またコメントも寄せていただき、誠にありがとうございました。

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く…