“幼馴染のお願い5”

日曜日ーー······

朝だ···。 結局緊張して全然寝れなかった。

昨日男が急にデートとか言うから余計意識しちゃった。 てゆーか何か体がダルい···。

じゅ、準備しなきゃ···。

デートか···。 まさか、幼がそんな風に思ってたなんてな。

それってつまり幼が、俺を···? いや、しかし···。

はぁ、良く分からん。 とりあえず準備するか。

いってきまーす。

男、おはよう! 晴れてよかったね♪

おはよう、幼。 せっかくのデートを天気に潰されなくて良かったな。

ドキッ デ、デートだなんて、そんな···。

(あ、あれ?) そ、そうか、まぁ、しょっちゅう一緒に出掛けてるからデートでも何でもないわな。ははは。

さ、行こっか!

バス待ち結構あるね。

日曜のこの時間じゃ本数も少ないから仕方ないだろう。

まぁ駅で乗り換えなきゃだし、歩いてもバスでも駅には同じくらいに着くんじゃないか?

駅まで歩きか~。

嫌ならバス待つけど。

あ、ううん嫌じゃないよっ

そうか、じゃあ行こう。

うんっ

おはよ~、弟くん。

おう、晴れて良かったな。

絶好のデート日和だね♪

お、おう。 そうだな···。

どうしたの?

いや、その今更ながら恥ずかしくないんかな~と···。

恥ずかしいわよ··· ボソッ

ん?

少しだけ恥ずかしいけど私たちはカップルですもの♪

まぁ、一応な。 (フリだけど)

だったら照れる必要なんて無いのよっ

おー、なるほどな~。

さて、そろそろバスの時間よ。 行きましょう。

大丈夫なのかよ?

何が?

いや、何がって。 今からバス乗ったら兄貴達と鉢合わせするだろ? 一本送らせた方が···

大丈夫よ、歩いていってるから。

え、そうなの?

あの時間に家を出たらバスで行くのも歩きで行くのも時間は大して変わらないわよ。

そーなのかー。

まぁ、そうなったらお兄ちゃんは歩きを選ぶだろうしね。

ウチの兄貴の事を何故そんなに詳しいのかは置いておいて。 スゲーな。

うふっ お兄ちゃんだけじゃないよ。

あぁ、姉ちゃんか。 姉妹だしな。

あと、弟くんの事もねっ

え、それってどういう··· ドキッ

ほら、バスに遅れちゃうよっ いこ!

あ、お、おいっ

駅ーー······

さて、ここから更にバスか電車に乗れば遊園地だな。

どっちで行くの?

どっちでも良いけど、バスかな。 座れるし。

ふふ、おうちゃくさんだ。

いや、俺はまぁ立ってても良いんだけどその、幼が、疲れるだろ?

お、男···。 ありがとう··· ドキドキ

ああ、うん、いや。

じゃ、じゃあバス、乗ろっか···。

そ、そうだな、ははは。

おねえちゃん達はバスで行ったのね。

そうみたいだな。

じゃああたし達は電車で行きましょう。

良いのかよ同じバスじゃなくて。 見守れないだろ?

あのね、弟くん。 相手がこっちの顔を知らないなら堂々と乗り込むわよ? でもね、こっちは相手に面割れしてるんだからそんな愚を犯すわけ無いでしょ?

どーせバカですよ~。

(そこが可愛いんだけどね・・・。) さ、とっとと電車に乗りましょう。

バスなら座れたと思うと・・・、はぁ。

日曜のこの時間なら大して混まないわよ。

あ、なるほど。

さ、行きましょ。

電車内ーー・・・・・・

なぁ、電車とバスで別々に現地入りしたらあの二人探し出せるのか?

はぁ・・・。

な、なんだよ・・・?

弟くんに問題です。 遊園地に着いた人が必ず向かう場所があります。 さて、それはどこでしょう?

お、何だクイズか。 ん~、必ず向かう場所か・・・。 あ、入場券売り場か!!

そう、正解。

よっしゃ~!!

で、それがどうかしたのか?

はぁ・・・。 あのね、弟くん? あたし達の目的地はどこ?

え?遊園地だろ? 兄貴達をストーキングするために。

人聞きの悪い事言わないでよ。 影から見守るだけよ。

いや一緒・・・まぁいいや。 で、どうやって兄貴達探すんだ?

電車もバスも大して到着時間は変わらないわ。 交通状況に左右されない分電車の方がおそらく早く遊園地に着くのよ。

おお、なるほど。

だからあたし達は到着後入場券売場で二人の到着を待てば良いだけ。

バスのほうが先に着いたら?

今何時?

? 9時半だけど?

遊園地の開場時間は?

10時だな。

この電車だと、およそあと15分程で遊園地に到着するわ。

駅から入場口まで5分かかるとしてそれでも10分は余る計算になるわ。 バスが先に来てもそれは変わらない。

つまり・・・どういうことだってばよ?

つまりあたし達もおねぇちゃん達も入場口で10分少々の足止めを食らう事になるのよ。

おー、なるほどそういうことか! 妹スゲーな!!

別にすごいって程じゃ・・・

いーや、俺には出来ないよ。 妹はすごい!

あ、ありがと・・・。 ドキドキ

間もなく、遊園地前に到着します。 お降りの際はお忘れ物~…

さ、着いたわよ。 行きましょ。

おう!

遊園地入場口ーー・・・・・・

おねぇちゃん達は着いてるかしら?

さぁ、見当たらないけど。 あんまり人いないんだな~。

まぁ、この辺の人達は散々来てるでしょうしわざわざ遠方から来る人もあんまりいないんじゃない?

確かに。 特にコレっていったアトラクションとかも無いしな。

うん、どうやらおねぇちゃん達はまだみたいね。 先に入場券買っちゃいましょ?

ほいほ~い。

え、良いわよ自分の分くらい自分で買うわよ。

いやいや、ここで出さなきゃ男が廃るってもんでしょ? 彼氏なんだから出させてよ。 (フリなんだけどね・・・。)

じゃあ、お言葉に甘えちゃいますよ彼氏さん。

どうぞ遠慮なく彼女さん。

あ、おねぇちゃん達だ。

あ、ホントだ。

とりあえず向こうの売店にでも隠れましょう。

おー、もはや懐かしいなここ。 最後に来たのは中2の遠足か。

私は去年女ちゃんと来たな~。

そうなのか。

うん! 楽しかったんだよ!? 女ちゃんが絶叫マシン苦手でね、あのかっこいい女ちゃんか涙目になっててさ!

ほう、そいつはいい事を聞いた。

はっ。 しまった、男、女ちゃんには言っちゃダメだよ!? 私が怒られちゃうから!ね!?

さぁ、確約は出来んな・・・。

もー、絶対止めてよ~!? ホントだからn・・・おっと フラッ

幼? 大丈夫か?

あ、うん。 ちょっと躓いちゃったみたい。 えへへ・・・。

? (周りには何も無いんだけど・・・?) 気をつけろよ?

だ、大丈夫だよ~!! この通り、元気!

いや、うん。 (やっぱり何か・・・)

さ、入場券買いにいこ? 男。

そうだな。 もうじき開場だ。

れっつごー!! おー!!!

・・・思い過ごしかな?

いや、あの二人端から見たら完全にカップルだよな? 俺ら要る?

・・・・・・。

妹?

おねぇちゃん、もしかして・・・?

おーい、妹!

ひゃっ、な、何よ急に!

いや、だから兄貴達はどっからどう見てもカップルにしか見えないんだから俺ら必要なのかなって?

あたし達が直接何かをするわけじゃないわよ? ただ単に物陰から見守るだけで。

え! じゃあホントに見守るためだけにここに来たの!?

えへ☆ (まぁ、それだけが目的ではないんだけどね)

え~、お前それ、趣味悪いぞ。

大事なおねぇちゃんだもん、気になるわよ。

いや、そうかもしれないけどさ・・・。 そこは人としてやっちゃいけないというかなんと言うか・・・

ま、細かいことは気にしないの! 今日はおねぇちゃん達を見守りつつ遊園地デートなんだからもっと楽しそうにしなきゃ!

デート・・・ね。

こんなに可愛い彼女と二人っきりで遊びに来れたんだから、良いじゃない。

ふう、わかったよ。

ふふ、ありがとね弟くん。

第6話へ続くーー・・・・・・

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Posted at 2012/09/30 03:28 Viewed 12 times

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第5話です。ちょっと忙しくて第4話から間が空いてしまいましたがのんびり空き時間に作り上げました。次で終わりに出来たらいいなぁ。

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