あ――、やっとテスト終わったよ……。
でも、受験本番まで時間があるとはいえ……。これじゃ駄目だよねえ……。
今回は山もいい所突いていたから、もっと点数が取れると思ったんだけれどな……。
絶対お母さんに怒られるよ……。 あーあ、帰りたくないよ……（泣）
と思ったらお母さんからメールが来たよ。
『ひなへ お父さんが車で今そちらに向かっています。
お父さんが到着したら、ひなの携帯へ電話してね、と言っているから、それまで塾で待っていなさい。』
ただいま……。
おかえり、雛子。遅くなってすまなかったね。テストお疲れ様。
うん……。
どうした？そんな浮かない顔をして……。
（今、ここでテストの点数を言う必要ないよね……。怒られるもの……。）
やっぱり疲れたのか？ そうだよな。こんな遅くまで頑張っているんだもの。
…………。（気不味い……。） お父さん。青だよ。
おっと……。
…………。
（こうして雛子は都合の悪い事は出来るだけ先延ばしにするのです。）
（雛子、悪い子。）
お帰り、ひな。 今日のテスト、どうだった。
…………。
…………。
…………。
……その調子だと、悪かったのね？
ハハハ、疲れているだけだろう。
あなたは黙ってて！
で、どうだったの？
…………。（泣）
ひな、黙ってちゃ解らないわよ。お母さん、超能力者じゃないんだから……。 どうだったの？
今日のテスト、お母さんに見せて頂戴。
うぅ……。
聞こえなかった？今日のテスト、お母さんとお父さんに見せなさい。
…………。 （そ～～～～。）
…………。
……………。 （溜息）
…………。 ひな。
…………！
この成績はどういう事なの？
ご……、ごめんなさい……。
ごめんなさい、じゃないでしょ！お母さんが聞きたいのはそんな言葉じゃないの！
どうしてこんな点数しか取れなかったの？大体この間だって……。
（うわああん。お母さんの無限ループ説教タイム突入だよ……。勘弁してよ……。）
（謝っているんだから許してくれてもいいじゃんか……。）
（あ、何かテレビで面白そうな事してる……。チラッチラッ。）
ひな。あなた、お母さんが話している最中に一体何処を向いているのかしら？
…………。（ギクッ!?）
あなた！テレビ、消して！
うむ…………。
（うわあああん……。当たり前だけどお父さんの顔も厳しくなってるよ……。）
（まあ、暫くしたら２人共機嫌が収まるだろうし、それまでやり過ごすか……。）
（あーあ、最悪……。）
