(どうしようか・・・・)
(とか何とか思ってるうちに次の日の放課後になっちゃったな)
ガヤガヤガヤガヤ・・・ オワッター、カエローゼー
・・・帰ろ。
ちょっと待ってくれねえかい、お嬢ちゃん。
!?
・・・何?邪魔なんだけど。
プルプル・・・(ぐっ、やっぱムカつく・・・) じ、邪魔ってこたー・・・。
あー、ちょい待った。 実は合わせたい子がいるんだ。
私に?
ああ。
(お、ちょうど来たな) おーい、こっちだ。
・・・・・。
ああ、あの・・・
何?
わ、私高宮詩織って言います。 前の学校でクラスが一緒だったんだけど・・・覚えてない、かな?
・・・ごめんなさい。
あ、い・・いいの、話した事なかったし。 そ、それで、その時に絡まれてる所を助けて貰った事があって・・・。
あ! ・・・・・あの時の。
う、うん。そのお礼を言いたくてずっと言えなかったから・・・。 あの時は助けてくれてありがとう。
い・・いえ、気にしないで。
ううん。あの時凄く怖くて・・・助けてくれてとても感謝してるの。
・・・・・。
あ、後一つ・・・。 わ、私と・・・その・・・よ、よかったら
と、友達に・・・なって貰えませんか?
!?
とと、友達って私と!?
(コクン)
な、ななな何を言って・・・・・。 だ、大体あのせいで・・・。
!?
あ・・・。
か、帰る・・わ。
・・・・。
すげーうろたえてたな・・・。
だ、大丈夫?
う、うん・・・。
虹村さん、やっぱりあの時の事・・・。
なんか訳がありそうだな・・・。 ここまで来たんだ、よかったら聞くぜ?
ありがとう・・・。
ちょっと場所変えるか、そこで話そう。
それじゃあ・・・話聞くよ。
うん・・・実は私あの時・・・絡まれたっていうよりは襲われそうになってたの。
相手は何人もいて・・・手加減できなかったんだと思う。 気が付いたら私達以外の人はみんな倒れてた。血を流してる人もいたと思う。
そしたら何故か学校中には虹村さんが何人もの相手をボコボコにしたって所だけが強調して伝わってしまってて。
元々学校の人達と折り合いが良い方ではなかったけど、その件以来更に悪化してしまって・・・。
卒業までずっとまるでいないかの様に扱われてた・・・。
それは、また・・・。
私が! 私が、一言言えば良かったの・・・。 虹村さんは私を助ける為にって。
でも、言えなかった・・・。 虹村さんを庇って私まで敬遠されるかもって思うと勇気が出なくて・・・。
そうか・・・。
私のせいで、虹村さんの学校生活めちゃくちゃにしちゃった・・・。
・・・でも、それをどうにかしようと今度は勇気を出したんだろ?
う、うん・・・。 友達になって、今度は私が虹村さんの事を色々助けてあげられたらって・・・。
それは偉い事だと俺は思うよ。 過去を清算しようと前向きなんだから。
俺は応援するよ。
ありがとう・・・私、頑張ってみる。 もう手遅れかもしれないけど、もっと虹村さんとお話がしたい。
何でも協力するぜ。 何かあったら言ってくれよ。
うん、ありがとう・・・。
それじゃ・・・。
ああ、また明日な。 頑張ろうぜ。
うん・・・バイバイ。
どうなんよ?
俺は頑張って欲しいと思う。 ・・・そりゃあ下心がないと言ったら嘘になるけど・・・。
ははは。 正直で良いと思うぜ。 ただ・・・
小さな親切大きなお世話ってな・・・。 虹村自身が望んでない可能性もあるかもな。
様はほっといてくれってやつだ。
うむ・・・まあ、な。
まあ、俺はそっちじゃない可能性の方が大きいとは思うけど。
そうだったら・・・いいな。
(翌日、昼休み)
ガラッ!
・・・・・。
虹村さん。 今日お弁当作って来たんだけど、よかったら・・・。
!?
スタスタスタスタ・・・。
・・・・・・。
・・・アイツ。
チッ、ちょっと行ってくるわ。 高宮さんのフォロー頼むぜ。
あ、ああ。任せろ。
(あーもう、あんまりでしゃばり過ぎるのは良くないとは思うけど・・今回だけは)