ふぅ・・・ゲホッ、ゲホッ。 痛って・・・。
だ、大丈夫か?
ん、ああ・・・。 それより、虹村はどうなったんだ?
それが・・・。
・・・・・。
(うお!?既に終わってやがる・・・しかも、無傷とか)
ジッーーーー。
・・・・・なんすか?
ふーん。 それなりには強いんだ。
(ッゼー、上目線ウゼーわー、立絵じゃ分からんけど、無傷のお前に対して俺は結構傷だらけだけどもっ!)
・・・何か疲れたから帰るわ。 後始末はしておいてね。
スタスタスタスタ・・・・
後始末って・・どうする?
まあ、大した怪我もなさそうだし、ほっといてもいんじゃね? 目が覚めたら一人で帰れるだろ。
俺らも帰ろうぜ。
あ、ああ。
で、どうだったんよ。
ああ、学年の可愛い子の連絡先は一通りゲットしたぜ。
ちげーよ、馬鹿! お前は見た目通りのチャラ男設定かよ。
虹村とグレイ(弟)の事だよ。
・・・でも後で連絡先は教えてね。
うーむ、回想でも入れとくか。
虹村とグレイ(弟)が対峙する。
ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべるグレイ(弟)。
低く腰を落とした構え。 タックルに行こうというのが素人目にもよく分かる構えである。
対して、虹村は無表情。
右前足で握っていない両手を胸の辺りまで上げている。一見するとタックルを全く警戒していないようにも見える。
と、
グレイ(弟)が虹村の腰を目掛けて飛び込んでくる。
速いっ!
来ると分かってはいても、そう簡単に捌く事は出来そうにない、そんなタックルだ。
虹村はそのタックルに合わせて少し後方に飛んで、引き込むように仰向けに倒れた
虹村の上に乗る形になったグレイ(弟)がヒヒッと笑う。
イイ格好だね~。このまま楽しんでもイイんだけど
少し大人しくなって貰おうかな
右腕を虹村の顔目掛けて思い切り振り下ろす。
虹村がそれを難なく避ける。
グレイ(弟)の拳が地面を強く打ちつける。
うがっ!!?
顔を苦痛に歪めたその隙を狙い、虹村が体を捻りグレイ(弟)の背後に回りこむ。
首に腕を巻きつける。
チョークスリーパー。
下がコンクリートなのに思い切り拳を打ち込むのは関心しないわね・・・
ただの素人か、女と思って甘く見たか・・・まあ、どちらでも良いけれど・・・
ッ!!
巻きつけた腕に力を込める。
グレイ(弟)が暴れて抵抗する。
しかし、次第に抵抗も弱々しくなり数秒後、完全に動かなくなった・・・。
とまあ、こんな感じだ。
へー。
グレイ(弟)が虹村を舐めてたってのもあるとは思うけど、上になった時のパンチもそこいらの奴だったら簡単に避けれたとは思えないしな。
人に喧嘩を売ってくるだけはあるって事だな。
気になるか?
んー、やっぱ女殴るとかはなぁ・・・。
可愛かったしな。
それは関係ねーって! ・・・ほら、飯でも行こうぜ。
(何事もなければいいけどな・・・)
おい! 早く来いよー!
おい、ちょっと待てって。